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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
20章 山の住人との交友関係
220/319

瘴気≠厄

気配の方向へ、道無き道を進んでいくと…目当ての厄神様はそこにいた。


くるくると回りながら、瘴気に似たそれを纏っている。


「今日も厄が沢山漂ってるわねー…」

「あのー、すいません」

「あら、天狗さん…じゃないわね。それにその服…」

「八雲黄、といいます。鍵山雛さん…ですよね」

「ええ、そうよ?私に何の用かしら?」


呼びかけると、回転をやめて柔らかく微笑みながらこちらを見ていた。…うーむ、紫様や藍様とはちがったお姉さんタイプか?


「今集めていたのは…」

「ん、厄よ。山に漂っていた厄や、その他の所から流れてくる厄を私自身に溜めているの」

「…大丈夫なんですか?」

「それが私の能力であり、いる意味になるから。…私は元々流し雛だったし」

「…なるほど」

「…綺麗、だけど可愛い」

「あら、ありがとう。…天狗さんかしら?」

「いえ、僕の式神です」

「…クーです」

「ふふ、よろしくね」



「ああ、どこかで聞いた名前だと思ったら…山の英雄さんだったのね」

「そんな大層なもんじゃ無いですよ…元の原因は僕にあるようなものですから」

「…瘴気、か。私が集める厄よりもずっとタチが悪いわね」

「まったくです…」


厄というものは、溜め込むと不幸になるという、蓄積されて効果を発揮(?)するものだが、瘴気の場合はそのものが少量であっても害をなす。

山が瘴気で覆われた時、雛さんも瘴気を取り込もうとしたらしいのだが、すぐに身体がおかしくなったそうだ。


「身体の調子はもう大丈夫なんですか?」

「ええ。…でも、なんというか…少しだけ残滓が残っているような気もするのよね」

「…浄化、しておきましょうか?」

「できる…のよね。山の全体浄化を行った貴方なら」


一つ頷いて、手をかざす。

光の魔力で雛さんを包み、瘴気の残滓を探す。


「そういえば、河童達は大丈夫だったのかな…天狗の皆には個別に浄化しなおしたけど」

「ん、あの子達の分も…私に移しておいたから、河童達は大丈夫だと思うわ」

「そうだったんですか…だったら尚更、雛さんの浄化をちゃんと行う必要がありますね…」


身体に根付こうとする瘴気の残滓を、浄化して消し飛ばす。作業は数分で終わった。


「うん、身体がとても軽いわ。これなら厄集めもはかどりそう」

「それは良かったです…もし、また瘴気が出てきたなら取り込もうとせずに逃げてくださいね?」

「ええ…分かったわ」


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