変形から固定
まず、棒アイスサイズから大きくして…太刀へと変形させる。
「へー…すごい滑らかに変形するんだね…魔力で変形させてるの?」
「うーん…魔力を使うような感じでは無いんだよね。身体の一部みたいになってるというか」
話しながら、今度は籠手へと変形させる。更に、鍵爪を伸ばす。続いてバックラーから、大盾へと。
「…うーん…私も武器を参考に作ってみようと思ったけど難しいなぁ…」
「まぁ、いろんな法則を無視して変形してるしなぁ」
「んー…大砲とかってできる?」
「うん、出来るよ。…こんな感じかな」
横に構える形にして、砲身を工房の天井へと向ける。サンライトバスターを効率良く発射するために開発した変形だ。前は狙いが大雑把でも別に良かったのだが…もっと正確に狙いをつけるにはこの形状の方がいいからね。
「…ちょっとそのままにしといて!」
にとりはいきなり紙と鉛筆を取り出して、何か書き始めた。
「え、ちょ、何してるの?」
「形だけでも捉えておけば再現できるかなって思って!動かないでね!」
「…上手」
「にとり、そんな才能あったんだ…」
「設計図とか書かなきゃいけないからねー」
「って僕のことそのまま書いてるの!?」
写真より何故か恥ずかしさが増すんだけど…うーん…
◇
数十分後、僕はまだ同じポーズのまま立たされていた。
「…にとりー、そろそろこの体勢保つの辛いんだけど…」
「もう少しだからー」
「…むぐぐ」
椛とクーは二人で何か食べている。…遠目から見ると本当に姉妹みたいだなぁ。
「…おいしい」
「ふふ…」
「ふー…できたよー」
「やっとかー…うぐぐ」
「こんな感じなんだけど…」
見せてもらうと…確かに上手だった。すごいな。
「…まぁ、苦労したかいはあったかな…あいたたた」
「あはは、ごめんね。お詫びに…これに座ってよ」
そこに置いてあったのは、ソファーだったのだが…なんか機械の腕が生えてる。
「私が作ったマッサージチェアだよー。ささ、座って」
「ちょっ、まっ…」
「…主様、それ…気持ちいいよ」
「既に体験者いたんか…ならいいかな…」
ここは大人しく座っておこう。…疲れが取れるといいんだけど。




