異質の再確認
「まぁ、まだ完全に能力が目覚めたわけではなさそうだし…能力の名前は付けられないわね」
「ん、能力に名前付けたりとかあるんだ」
「霊夢の場合は主に空を飛ぶ程度の能力、私は境界を操る程度の能力よ。スキマは能力の一部」
手を突き出し、スキマ空間を覗かせてくる。
…目玉はどうにかならなかったのかなぁ。
「ちなみに幻想郷内での能力持ちは大抵二つ名もあるのよ」
「例えば?」
「私は楽園の巫女とか…紫は確か、神隠しの主犯とか…割と困ったちゃんとか」
…割と困ったちゃんはお似合いな気がする。僕が屋敷に連れ込まれた時の藍さんは「あぁ、またか…」って表情を浮かべていたように思える。
「その二つ名はやめなさいって…」
「だっていきなりお茶菓子取ったりするじゃない。困るのよ」
ああ、霊夢にとっても困ったちゃんなのか…。
「とりあえず、今日の所は能力については不明。…何か体やその力に変化が起きた時、もう一度調べるわね」
「ありがとうございます」
「いいのよ、お賽銭を…って、あんた確か一文無しに記憶喪失だったわね」
…あれ、霊夢に僕の事教えてあったっけ?
「なんで知ってるんです?」
「紫に前から聞かせてもらってたからね、変なのが来たって。見た目は…まぁ普通だけど、私達みたいなのから見たら相当に変なのよね…」
「それは…内包している力ですか?」
「ええ。霊力、妖力、魔力、或いは信仰の力とも異なる…初めて見るエネルギーだから」
…そこまで変なのか。どうにかして自分で確かめる術は無いものだろうか。




