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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
18章 ゆったりと過ごす幻想の一時
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三姉妹の決心

「…おお、すごい。断面が綺麗だな」

「…キリさん、上手にいろんな物を斬るの」


鎌鼬三姉妹の幻想入りから数日。

僕たちは妖怪の山、参道の中腹あたりから伸びた…真新しい切り株が並ぶ、文字通り切り拓かれた道を歩いていた。

クーを介して、幻想郷のルールを教え、この山の皆に紹介をして…本当にクーはよく働いてくれた。


「…主様、何?」

「いや、この何日かよく働いてくれてたからご褒美」

「…私は、いつもご褒美もらってたのに…」


帰ってきて、ご飯までの間に眠っていたクーを膝枕していただけなんだけど…ご褒美になってたのか。


「…見えてきたよ」

「また立派な家をこしらえたなぁ…」


一軒の家屋が、ぽつんとそこにあった。…これ数日で建てちゃったのか?


「…こんにちはー」

「はいはーい…あら、いらっしゃい。よく来てくれました」


出迎えてくれたのはフウさんだ。…後ろにはキリちゃんも居る。


「こんにちは。…立派な家ですねぇ」

「ふふ、天狗の皆様が手伝ってくれたんです。皆さんいい人たちですね」

「ああ、そうだったのか。それにしても…」

「ん、なんだ兄さん?」

「道を切り開くのはいいんだが、あのままだとまた木が生えてくるぞ?」

「いいのいいの、私がまた斬ってやるんだから」

「…まったくもう。フラーウム、頼んでいいか?」

「うん、いいよー!」

「うわっ、いきなり出てきた!?」

「あっちの切り株を全部引っこ抜いてきてほしいんだけど」

「わかった、やってくるねー!」


フラーウムは走り出し…すごい勢いで切り株を抜き始めた。

…キリちゃん、口が開きっぱなしになってるぞ。


「…なるほど、以前の貴方とは違う…違和感がありましたが、その子…だけじゃない、様々な力が貴方の中にありますね」

「あー…精霊が中に居ますから」


外界に出る時は、全員…僕の力で包んだ状態で外に出してみたんだっけ。結界に影響が出ないかのテストも兼ねてたけど、成功だった。


「なるほど…」

「…姉さん、立ち話になってる」

「あら、ごめんなさいね。ささ、上がって」

「ええ、お邪魔します」

「…お邪魔します」



「さて…改めて、私たちをこちらに連れてきていただき、ありがとうございます」

「いえいえ、別に大した事はしていませんよ」

「それでも感謝してるんだぜー。こっちに来てから私の鎌の斬れ味も増す一方だから、ふみゅっ!?」


フウさんがげんこつを落とす。


「痛いな姉さん!」

「物騒な事言わないの。貴女だけが暴走したら大変なんだから」

「…私のお仕事、増えちゃう」

「分かってるよ…」

「…話が逸れてしまいましたね。とにかく、黄さんや紫さんには感謝の気持ちばかりが…」

「でさ、何か恩返しができないかなって話し合ったわけよ」

「…恩返しですか、そんな…」

「…私たちが、ちゃんとしたいの」


恩義を感じてくれるのは嬉しいけど…うーん。


「…確か、クーちゃんは黄さんの式神になっているんですよね?」

「そうですけど…まさか」

「…ええ、貴方が考えている通りです。どうか、私たちを式神にしてください」



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