対策案
「まず、瘴気の獣は前触れなく現れます。そして…急激に周囲を汚染していくんです」
「汚染された場合、どうなるのかしら」
「すぐに浄化できれば問題はないんですが…クーがもともと住んでいた森は、ひどい状態ですよ」
「…そうだったの」
目を細め、クーの頭を優しく撫でている。
「…多分、もう…誰も住めない…」
「僕が定期的に浄化していますが、なかなか…長い目で見なければいけませんね」
「それほどまでに、強力なのね」
「はい。…僕は平気なんですが…皆が瘴気の影響を受けてしまうとなると、すぐに動けなくなってしまいますね。…紫様でも厳しいと言っていましたから」
「あいつが?…紫が警戒するのなら、それは…」
「かなり危険ですよ。…おそらく、出てもあと二体…でしょうけど」
「どうして言い切れるの?」
「今までの状況からです。…今までは、僕の中にいる精霊が閉じ込められていた精霊玉を取り込んだ獣だけが現れていて…その精霊玉が残り二つなんですよ」
「…そう、わかったわ。気をつけておくとしましょう」
「ありがとうございます。…皆のためにもお願いしますね」
「…その言い方はズルくないかしら」
「幽香さんの優しさを見込んで、ですよ」
「…なんとなく、あいつみたいな受け答えするわね」
「え?」
「なんでもないわ。…そうだ、野菜の種を持って帰ってみない?」
「野菜の種ですか?」
「ええ。貴方の所で育ててみなさいよ」
「…分かりました、できたら持っていきますね」
「期待しないで待っておくわ、ふふ」




