戦闘回避
水やりが終わって、皆で紅茶とクッキーを囲んでのおやつタイムになっていた。
「…ふー、ふー…」
「ん、冷ましてやるぞー」
クーのティーカップにチルノが手をかざすと、ゆらゆらとしていた湯気が一気に消えた。…凍ってはいない。
「…チルノ、冷気の扱い…上手になった」
「このくらい簡単だよー」
「以前は凍らせちゃってたのにね、ふふ」
「う、うるさいよー」
顔を赤くし、頬を膨らませながら…幽香さんをぽかぽかと叩く。…これ、何も知らない人とかが見たら自殺行為とも取れるよなぁ。
「ふふ、ごめんごめん。今はちゃんと上手になったんだからいいじゃないのよ」
「あうー…」
くしゃくしゃと頭を撫でられて、嬉しいのか嫌なのか…複雑な顔をしていた。
「…いいなぁ」
「ん、僕が撫でるのじゃ嫌か?」
「……」
クーが膝の上に乗ってくる。…よしよし。
「…はふ」
「あら、私が撫でてる時よりふにゃってなってるわね。やっぱり主が撫でるのが一番なのかしら?」
「…えへへ」
「うんうん、やっぱり可愛いなぁ」
「…主様、もっと…」
「はいはい…」
撫でつつ、ハーブティーを飲む。…最近は気を張ることが多かったから今のうちに少し休んでおかないとな。
「ところで…貴方、強いようだけれど」
「あー…弾幕勝負はからっきしです。…避けなきゃいけないんですけど、バリアでなんとかしちゃう癖があって反則負けになるんですよね」
「へぇ、そうなの。意外ね」
「いわゆる普通の戦闘もまだまだですよ。…武器の特性を理解する所からやってるんでね」
「なるほどね。…伸び代はまだまだあるってことよね。…今後が楽しみだわ」
「あー…幽香さん?…僕はなるべく戦ったりせずに過ごしたいんですけど」
「えー、何でよ。暇つぶしに付き合いなさいよ」
「えーと…まずここでは戦いたくないです。すぐに修復できるとはいえ、この景色が崩れるのは見たくないですし…」
「…なら場所を変えればいいじゃないのよ」
「そしたらその場所に住んでるのが迷惑を被りますよ」
「無縁塚なら殆どいないから…」
「と、とにかく、今日は戦うつもりはないです!先日だって大変だったんですから」
「ん、残念ね…なら、貴方が瘴気の獣…だったかしら、それと戦った時の事を聞かせて暇つぶしにするわ」




