いつの間にか集まるようになってた
「…よし、これでいいかな」
「ええ、後はちゃんと毎日、水を適量与えていけば…そのうち芽が出るはずよ」
クーと翡翠が種を蒔いた植木鉢の横に、僕のものも追加される。…ん、他にも植木鉢があるようだが…
「他にも誰かこの植木鉢で花を育てている子がいるんですか?」
「ん、そうね…少し前に妖精とか小さな妖怪を成り行きで助ける事になって、その子が来たりしたけど」
「成り行きって…」
「雑魚妖怪に追われて向日葵畑に入ったのよ。…畑を荒らされるのは見たくないから適当に吹っ飛ばしたらえらく感謝されちゃってね」
「えー…」
…やっぱり花を傷つけると容赦ないんだな。
「…ん、噂をしてたら来たわよ」
「ゆうかー、水やりに来たぞー!」
「チルノちゃん、ノックもしないで…」
「ふふ、いらっしゃい。ジョウロとかは…持ってるわね」
「チルノと大妖精だったのか…」
「お、お前はー…えーと…クーの飼い主さん!痛い!」
「…飼い主、じゃないもん。主様」
チルノが「飼い主さん!」と言ったところで、クーがどこから取り出したのか…スリッパてはたいて、いい音がした。…というかいつものやりとりっぽいな。
「チルノちゃん、ちゃんと覚えようよ…」
「むぐぐ…」
「…まぁ、ある意味…そうなのかもしれんけども。久しぶりだね」
「おう、そうだなー」
「お久しぶりです、黄さん。…水やりを先にするので少し待っていてくださいね」
「うん、いいよー」
「えーと、ルーミアちゃんは来れないって言ってたからやっておかなくちゃ…クーちゃん、橙ちゃんは今日は一緒じゃないの?」
「ん…今日は、藍様とお出かけしてるの。…私がやっておくね」
「うん、分かった」
って橙も来てたのか。…藍様が知ったら攻め込んで…たぶん返り討ちにあいそうな気がする。橙が絡むと一気に冷静さを失うんだよね、藍様って…
「…なんか和みますね」
「ふふ、そうよね」
「あ、チルノちゃん!水凍っちゃってるよ!」
「あ、またやっちゃった!」
「…ふふ」
この小説での幽香さんの立ち位置は「印象怖いけど本当は優しいお姉さん」な風にしたい。面倒見がとてもいいお姉さん。




