表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方黄明譚  作者: k.Yakumo
17章 残り三つ
181/319

湖底の姫、懇願す

ミソウを取り込んでも、僕の記憶には変化がなかった。…深蒼に聞いてみると、


「わかりません…私もこの先が靄がかかったように思い出せないのです、ごめんなさい」

「ああ、謝らなくていいよ。…僕だって思い出せていないから」

「そうでしたか…私は主の役には…」

「いやいや、大いに役に立つよ!水の魔法が使えるようになったから、複合魔法の幅が大きく広がったみたいなんだ」


紅魔館内部の図書館に書かれていた複合魔法は、水魔法を起点とするものが結構あった。汎用性が高いのと、他の属性に比べて形状変化がらくだから、ということらしい。


「そ、そうですか!嬉しいです!」

「さてと、とりあえず危機は去ったが…」


翡翠は先程の戦いを終えて、治療の後からずっと離れようとしないのだ。


「あのー…」

「い、命の恩人が突然倒れたりなんかしてしまってはいけないだろう?それに…妾は外の世界がどうなってるか…」

「…黄、頼む」

「むぐ、虚空さんまで…うーん…」


…このまま屋敷に連れて帰ってもいいんだけど…紫様がどう思うかだな。それに…


「…翡翠、条件が…二つあるんだ。まずは、その肌の色を人らしく変えるのを許可すること。…目の色と髪の色は大丈夫なんだけど、流石にその肌では人里は歩けないかな」

「…ん、そうか…」

「ああ、人里以外だったらすぐ元に戻すから」

「って、黄が変化させられるのか?」

「うん、光魔法で…まぁ、見え方を変えるんだ。あとは水魔法とかも被せて使って…」


試しに翡翠の腕を、綺麗な青緑色から白い肌へと変化させる。


「お、おぉ…」

「これを全身にかければ大丈夫だと思う。いいかな」

「…もちろんじゃ、外の世界を見られると言うのならこのくらいは」

「うんうん。…もう一つは、その話し方を年相応の女の子の喋り方にすることかな。これは…もう覚えてもらうしかないんだけど」

「う…努力、する…」


うむ、とりあえずの交渉は成立だ。あとは…僕の主に許可を貰わなければ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ