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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
17章 残り三つ
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湖底の姫の目覚め

青い繭の内側から確かに、魔力の波動が漏れ出している。


「…おそらく、もうすぐ出てくるのだろうな」

「出てきたとして…どうするつもりですか?」

「…さあな。あの子がしたいようにすればいい。もしかしたら誤解して、襲いかかってくるかもな」

「えー…」

「考えてもみろ。…子供からは、俺が何かをしたせいで自分が暴走して親が死んだ、とも考えるかもしれんぞ?」


…言われてみれば、確かにそうなるのかもしれない。


「大丈夫だ、幼い妖怪に遅れをとるつもりはないさ。さて、そろそろか」


パキパキ、と繭にヒビが入り、光が更に強くなる。ヒビは更に広がっていく。

そして、繭が完全に開いて…中からは綺麗な青と緑の混ざったような肌の女の子が出てきた。


「…ここは…?妾はいったい何をしておったのじゃろうか…」

「やっと起きたか、寝坊助姫」

「なんじゃ、失礼な…って、その声、お主は…」

「…俺が分かるか?」

「…うむ、分かるぞ。…繭の中で、お主が話しかける声を聞いておった。ずっと前からな。その隣のは…前とは違うな」

「…あのなぁ、俺は人を辞めてこの姿だが、師匠は人として生命を終えたんだ」

「…そうじゃったか、妾を、母様と一緒に救ってくれたあの者はもうおらんのか…」


…うーむ、話に全然着いていけないが、突然襲われることはなさそうだ。


「…師匠は死ぬ間際まで、気にかけていたぞ」

「…そうか。…随分と長く、かかってしまったの…」

「…ああ、そうだ。これからこの世界で暮らすにあたって、名前をつけてやらないとな」

「え、名前ついてなかったんですか?」

「…王族の名前ってのはやけに長ったらしいんだよ」

「そうじゃな、長くて名前を自分で言うのに何回も噛んでしまう」

「そうなんですか…」

「さしあたっては…短くて似合う名前がいいか」

「ふむ、そうじゃな。…そこのお主、何か案は無いか?」

「え、僕!?」


いきなり責任重大すぎやしないだろうか…


「…黄、俺は死神としての役割がある。できれば、黄に彼女を頼みたいんだ」

「…それも今回の目的でしたか」

「実は紫も了承済みだ」

「えっ」


外堀が既に埋まっていた。なんてこった。


「…うーん…ちょっと待ってね…」


…こういう時は似た何かの…宝石とかの名前を付けるのが良さそうだ。

空間魔法を使い、部屋からある本を取り出した。




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