回復と不意打ち
「…うー、苦い…」
「まぁ、基本的に薬草メインだから…我慢しなさい」
うーむ、どれだけ味を変えた所で苦味は消えないような気がする。大人しく我慢して飲もう。
「…うえー…」
「主様、大丈夫?」
「ん、もふもふさせてくれたら耐えられそう…」
「…えへへ、いいよ」
クーの耳を触りつつ…一気に飲み干す。
…うええ、やっぱ苦い。
「吐いたら効果が無いからね」
「…うぅ」
…やっと落ち着いた。それと同時に身体の力が戻ったような気がする。
「効果が出てきたみたいです」
「ん、そう。…まだ改良しないとダメね。時間がかかりすぎてる」
「…味も改良してくれると嬉しいんですけど」
「…そうね、考えておくわ。はい、口直しの飴」
…ん、美味しい。
「もう一個あります?」
「いいけど…まだ食べてるじゃない」
「クーにやってください。…視線が」
尻尾をぱたぱたと振りながら、上目遣いでこちらを見ている。…これやられるとなぁ。藍様の気持ちが良く分かる。
「ん、いいわよ。はい」
「…ありがとう」
クーの顔がほころんでいる。…ふふ。
「良かったね、クー」
「うん。…パチュリーお姉ちゃん、ありがと」
「おっ…!?ど、どういたしまして」
…この不意打ちもあるからな。紫様も藍様もやられた所を先日目撃したばかりだ。
「…恐ろしいわね、この子」
「ですよね」
「…?」




