精霊同調(スピリット・シンクロ)
「…じゃ、とりあえずやってみましょうか。…闇属性は、武器と同じようになるなら危ないわね」
「んー…光属性はレミリアさんフランちゃんが起きてきたら危ないしなぁ。…火は純粋に引火の危険性が…」
「図書館の本は防水・防火・汚れ防止の魔法がかけてあるけど…万一があるといけないからやめておいて欲しいわね。となると…」
土か、風だな。…うーん、風の方が分かりやすいか?
「風属性でやってみましょう」
「…ん、じゃあまずは武器の変化からね」
風の魔法を纏い、刀身が薄く変化していく。…さて、ここからだな。
「武器の変化の延長として、自分の身体の中に…魔力を流してみる、か」
自らの身体を武器と思い、そのまま魔力を纏わせる。…身体の輪郭がユラユラと揺らぎ始めた。…と、武器も同じように揺らぎ始めて…身体に吸い込まれていく。
「…!?」
「主様!」
「ん、大丈夫。…痛いとかじゃないから…たぶん、僕の予想が正しいなら…」
そのままの状態をどんどん全身へと広げていき…全てが揺らぐようになった後、更に僕の身体は変化する。
「…武器が、全身に装着されている…?」
背には羽を模した剣が二対。
腕と脚の先が剣となり、常に宙に浮いた状態になっている。
「…想像以上の出来よ、黄…素晴らしいわ」
「…主様、かっこいい…」
「んー…これはなんというか…」
『マスター、これはなんですか…?』
「ジリョーヌイか?どうした?」
『マスターと、ほぼ完全に同化した…そんな感じがするんです。何をしたんですか…?』
「あー…魔法剣を作る要領で僕の身体を変化させたんだ。そしたら…こうなった」
『…そうだったのですか。…すごいですね…』
「だなぁ。力が湧いてくるよ」
…ただ、これは室内で使うには危ない気がするなぁ。少し身体を動かしただけで…いろいろ斬れてしまいそうな気がする。
「一度解くよ。…っ、く…」
「…主様!」
うわ、フラフラする…体力が一気に削られてるな。
「さっきのは体力を一気に削るみたいですね…おそらく、時間制限がありそうです」
「そ、そう…」
「…クー、ソファまで引っ張って」
「…ん、わかった」
…よっこいせ、と。筋肉痛にもなってるかもな。
「…そこで座って休んでなさい。今、体力回復の魔法薬を作っておいてあげるから」
「ありがとうございます、パチュリーさん」
「…ん、主様…」
「おぉ、もふもふ…」
…うん、やっぱり癒されるなぁ。




