癒しの抱き枕
数分と経たないうちに、藍様が僕の所に来た。紫さまは僕の居た世界を探している最中のようだ。
「大丈夫か?」
「はい…心配かけてすいません」
こういう時のために、精霊には紫様や藍様にすぐに知らせるように伝えてあるので、すぐに駆けつけてくれる。
「しかし、今回は…瘴気の獣とも戦っていないのに、どうして…」
「…紫様が一緒の時に話します」
「…そうか」
ちなみに、僕はまだ布団の中だ。…頭がズキズキと痛んでいる。
「まだ顔色が悪いな…よっと…」
「…ん、いいんですか?」
「黄の顔色が悪いと紫様まで青ざめてしまうからな」
藍様は尻尾の一つを布団に突っ込み…僕はそれを抱き枕にする。よくクーや橙がやっている。
「…うーん、やっぱり手触りいいしあったかいし…」
「これで顔色が良くなるならやすいものさ。紫様がオロオロするのは見たくないからな…」
「…ごめんなさい」
「黄が謝る事ではないよ…」
「…ふむ、『こうしていると私も何故か落ち着く』ですか」
「…っ、いつの間に」
「あ、さとりさん…」
さとりさんはコップと、おそらく水の入った容器を持ってきた。
「うなされている間、沢山汗をかいていたので…喉が渇いているかと思いまして」
「…ん、思いまして?…読めないのか?」
「彼に関しては全く読めないですね…すこし困りました」




