vermelho
人影の一つは黒髪に緑色のリボンをした少女。特徴から見て、あれが霊烏路空、通称お空だろう。
だが、もう一人…豪快に笑う、坊主頭で赤い髭の男性は見たことが無い。…内包している魔力量も半端では無く、身体から漏れ出して熱気に変わっている。って原因じゃないか!
「ストップストップ!そこの二人ちょっと!」
「少年少女よ、こんな所に何の用だ?」
「あ、さとり様だ!どうしてここに?」
「えーと…」
「…火の精霊、か…」
「おお、良くぞ見抜いて…む?お主…」
「初めまして、精霊。僕は八雲黄。…君を探していたんだ」
「ほう、お主がそうであったか。我輩はヴェルメリオ、火の精霊である!」
…なんかちょっと暑苦しい精霊だなぁ。
「…ヴェル、久しぶり」
「おお、久しぶりじゃないかジリョーヌイ。ということは…我輩の主はこの少年になるのか!」
「…うん」
「そうかそうか…では黄よ、お主の中に…」
「ああ、どうぞ」
ヴェルメリオは小さな球体となって、僕の胸に入っていった。
「…っ!?」
「主様?」
ズキン、と頭が痛む。今までこんな事は…っ!
「…主様、しっかりして!」
「どうしたんですか!?」
「ぐぅぅ…っ、あぁぁあぁぁっ!?」




