舐めまわし
お燐と一緒にこいしを引き離そうと奮闘すること数分、なんとか成功した。
引き離したこいしは不機嫌そうにどこかに行ってしまったけど…
「…た、助かりました…もう、こいし…どこであんな事を覚えたのでしょうか…」
かなりくたびれた様子で、地霊殿の主「古明地さとり」は溜息をつく。
「ちなみに、あのまま放っておいたらどうなってました?」
「…言えません」
肩を抱くようにして震えていた。ちょっとしたトラウマになってるじゃないか。
「あー…これ以上は聞くのはやめます」
「ありがとうございます。あなたは…ん…?」
怪訝な表情を浮かべるさとりさん。…上手くいってるみたい。
「心を読もうとしているようですが、僕の心は読めないと思います」
「なぜ、そう言い切れるんですか…あなたが単に心を閉ざしただけ、かもしれないじゃないてすか」
「まあまあ、今から説明をしますから」
かいつまんで、僕の能力の事を話す。さとりさんの顔は驚きに包まれ、そのうち目をふせてしまった。
「…さとりさん?」
「あ、いえ…なんでもないわ。それで…旧地獄からその精霊が呼んでいる、というのね」
「そうです、そのために通してもらえないでしょうか」
「それは…そうしたいのはやまやまなのですが、現在お空が管理をしている地域が小規模な暴走をはじめているようなんです」




