無意識は背後というか肩に
「じゃあ私の主、さとり様のところに案内するねー」
お燐についていって、地霊殿の中を歩く。
「…綺麗な場所」
「そうだなぁ…紅魔館とは趣が違っていい場所だ」
「ふふ、地霊殿を褒めてもらえて嬉しいね。さとり様もよろこんでくれると思うよ」
…?地底に降りようとした時に感じた視線がまた…
「…じー」
「うぉぉ!?」
「えっ、こいし様!?」
眼前にいきなり女の子の顔、しかも逆さま。
お燐はこの子を知っているのか?
「…そこ、私の場所なのに」
「あ、そうだったの?こめんねー」
いつの間に肩に座っていたんだ…?
「えへへー、地上をお散歩して帰ろうと思ったらこの人たちが入ってくるのが見えて、どうするのかなってついてきてたんだよね」
「…気配を全く感じなかったけど。能力か?」
「あ、はい。こいし様の能力は無意識を操るものですから…」
「ということは、僕たちが『無意識に』気づかないようにしていたってことか」
「え、私能力使った覚え無いんだけどなぁ」
「…発動も、無意識?」
「そうかもしれないですねー…こいし様の場合は」
…そういえばお燐はこの女の子をこいし様、と呼んでいる。地霊殿の関係者なのか。
「名前を聞いてもいいかな?」
「うん、私は古明地こいしだよ。私のお姉ちゃんがここの主なんだー」
「そうだったのか…」
「うんうん。じゃあ私は一足先にお姉ちゃんにただいまを言ってくるからー!」
「…自由、だね」
「あはは…」
こいしが先に行って数分後、一つの部屋の前でお燐の足が止まる。
「ここがさとり様の部屋だよ。…先に言っておくけど、さとり様は心を読んで先に言っちゃうから…」
「…あー、それなら大丈夫、たぶん。というか、さとりさんが僕の心を読めるかどうか確かめるって目的もあったし」
「そうだったの?…そういう能力?」
「詳しくはさとりさんに説明する時に一緒にね」
「そっか。じゃ、開けるねー」
扉が開かれ、そこには…必死に抱きつかれている身体をよじる少女と、その少女を…舐めようとしているこいしちゃんがいた。
…どういうことなんだ。
こいしちゃん見ると例のあの歌が頭をよぎる。




