到着
店で飲み食いした分は僕が払った。…僕たちが定食を食べる間に一升瓶が三本空いてたのには驚いたけど…
「ははは、まだまだ飲み足りないし、今日は他の奴らと飲むことにするよ」
「そうですか…」
ほとんど酔った素振りがない。強すぎるよ…
「ここをまっすぐ行けば地霊殿だ。一本道だし迷うことはないはずだよ」
「はい、ありがとうございます勇儀さん」
「いいのいいの。じゃあなー」
「…さて、じゃあ行こうか」
「うん」
クーは僕によじ登って肩車の体勢だ。
「肩車好きだよなぁ、クーは」
「…えへへ」
…?なんか、いつもより重いような…?…定食の分かな?
「…うーむ、紅魔館と同じくらいかな。なかなかにでかい」
「…こっちは、まだ目に優しいかも」
「確かにな」
数十分ほどで…地霊殿、門の前に僕たちは到着していた。
「門番は居ない…けど、番犬みたいなのが」
「…もふもふ」
体毛の長い大型犬が門の向こう側に寝そべっている。…寝そべりながら細く目を開いてこちらを見ている。
「…ペットを沢山飼っているって聞いてるし、そのうちの一匹かな。とりあえず入ってみよう」
門を開いて、足を踏み入れると犬は中に入っていった。…客が来たのを知らせに行ったのだろうか。
玄関扉の前まで歩き、少し待ってみる。…反応は無い?
「…すいませーん」
「はいはーい…あら、お客さん?珍しいなぁ」
(…猫、なのかな)
中から出てきたのは猫耳の女の子だった。




