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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
15章 我が身を知れ
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能力検証その1

「来てたのね、黄。…精霊についての話をするから来たのでしょうけど…なぜ私達も一緒なのかしら」

「あー、実は…能力がどうやら完全に開花して、名前も分かったんですけども…何故か咲夜さんの能力が僕に効かなくなっているようでして」

「…なんですって?」

「じゃあ、黄は皆が止まっている間にも動けるのね。…やってみて」

「…時間の止め方はわからないんですよね。咲夜さん、ちょっと協力を」

「…ええ。では…」


カチリ、と皆が固まり…動いているのは僕と咲夜さんだけになった。


「…とはいえ、この状況をどうやって説明したらいいのやら」

「別の場所に動いても、あなたの場合空間魔法を疑われるものね」

「…あ、いや…それで大丈夫です。魔法の使用に関してはパチュリーさんが見破るはずですから」


僕だけ、本棚の上に飛んで腰掛ける。

時間が動きだし、レミリアさん達はギョッとした表情を浮かべた。


「ここですよ」

「…パチェ、魔法の痕跡は?」

「ないわ。…本当みたいね」

「すごーい!」


…レミリアさんが何か考え込んでいる。なんだろうか。


「レミリアさん?」

「…能力が効かなくなる、って方向の力は前々からあったわよ。…あんたの運命の先が全然見えないから。最初に見た時に驚いたんだからね」

「あ、そうだったんですか?」

「…どうやら相手に絶対的に作用する類の能力をシャットアウトしている、と考えるのが正しいかもしれないわね。例えば…」


突然、パチュリーさんが火の玉を撃ってきて、僕の腕に命中する。


「あっつい!?」

「ほら、魔法とかは弾かないもの」

「もうちょっと他のやり方なかったんですかパチュリーさん!」


…ああ、クーが怯えちゃってるよ…


「撃つから防がずに受け止めてって言ったらそうしたかしら?」

「…うぐ。…いたた…」

「…マスター、腕を。すぐに治します」

「ん…新しい精霊ね。風の魔力か…」

「あと一人居ますよ。ビヤンコ、来て」

「はい、マスター」


ビヤンコが現れた途端、レミリアさんとフランの具合が悪そうになった。…ああ、そうか。


「メラン、レミリアさんとフランを魔力で包んで」

「…なるほど、畏まりました」

「うぅ…私達があてられるほどの魔力ってやっぱり強烈ね…」

「あう…お姉様…」

「お嬢様、妹様、椅子を用意しました」


咲夜さんがいきなり現れて椅子を運んで…あれ?


「今は防げてなかったんだけど」

「…言われてみれば確かに止まっていましたわ。これは…」

「…能力発動を見ているのが条件…にもなるのかしらね。レミィが見ようとした時も黄は貴女を見ていたかしら」

「…しっかり見ていたわね」

「つまり、『相手が僕に対して防御不可な能力を使用する瞬間を見た場合、能力が無効になる』って解釈でいいんですかね。…まぁ、その方がありがたいですけど」

「私がが時間を止めるたびに、黄も周りが止まるって事になりますからね…」


…もう少し突き詰めておいた方がいいかもしれない。防御不可の能力か。


「…フラン、ちょっと頼みがあるんだけど」

「ん、何?」

「僕の右腕を能力で壊そうとしてみてくれないか?」

「…!黄、流石にその検証の仕方は危険すぎるんじゃないかしら」

「大丈夫ですよ…多分。さ、お願い」

「…ほ、本当に大丈夫だよね…?」


…実際、確かに危険なのだろうけれど…おそらくこれは成功する。


「…お願い」

「…わかった、いくよ。…きゅっとして…」


フランは手のひらをぎゅっと握り…何も起こらなかった。


「…本当に壊れなかった…」

「…うん、大丈夫だ。検証成功です痛い!」

「何やってるの馬鹿!」


スキマからパンチが飛び出し、続けて紫様も飛び出してきた。

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