お茶菓子とお賽銭
人里でお茶菓子を買い、博麗神社と人里の間を飛んでいると、見覚えのある黒い球体がふわふわと浮いていた。
「…ん、何かいい匂いが…」
「霊夢へのお土産だよ、食ったら…どうなるか分かってるね?」
「むぐー、独り占めは無理かー」
うん、やっぱりルーミアだった。
「…ん」
「クーも一緒なんだね。じゃあついていこうかな」
「…お茶菓子をもらえるとは限らないよ?」
「大丈夫、ほら」
ルーミアが持っていたのは硬貨だった。
「さっき森の中で拾ったんだよね。お賽銭として入れればお茶とお茶菓子も付いてくるからね」
「…まぁ、そうなんだろうけども…ってなぜルーミアまでしがみついてるんだよ」
「クーが肩車してもらうの好きって言ってたからどんな感じなのかなって」
「…私は譲らないよ」
「むぐぐ…分かったよー」
クーが、ルーミアの頭をぺしぺしと叩くとルーミアは離れた。すぐ横でふよふよと浮いている。
「クーは黄の事が好きなんだねぇ」
「…助けてくれたから。…私が助ける番なの」
「クーにはいろいろと助けてもらってるから、そんなに気負う必要はないよ」
「…えへへ」
「…主も式神も甘々すぎない?」
「これで回ってるからいいの。さてと、そろそろ着くよ」
神社の境内に着地し、続いてルーミアも降り立った。
「…さてと、じゃあお賽銭入れますか」
「そうだねー」
小銭を賽銭箱に投げ入れ、二礼二拍手一礼…する前に霊夢が飛んできたよ。
「あら、黄じゃない」
「…とりあえず拝んでからでいいかな。流石に失礼すぎる」
「あぁ、別にいいのよ。私自身何の神を祀ってるか分からないし」
「…それでいいのか博麗神社」
「いいのいいの。…紫からもう話は来てるんだから、さっさと能力を見ちゃいましょう」
「…お茶菓子…」
「黄の用事が終わってからゆっくり出すから待ってなさい。…勝手に食べたら…」
「…うぅ、分かったわよー。早く終わらせてねー」




