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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
14章 神々が住まう妖怪の山
131/319

影響継続中

「まったく、一番身体を休めんといかん奴が何をやっておるのじゃ…」

「あまりマスターを責めないでください。…それに、マスターは治療くらいでは消耗していませんから」

「…まぁ、確かに消耗してないけど…あれ?」


そういえば、すごい楽に浄化魔法が使えてたような。


「…主様、その…主様が倒れてから、魔力の変換効率がとても上がっておるようですぞ」

「え、マジで?」

「ええ、確かに…私たちとあまり変わらなくなっているようにも思えます。おそらく、今のマスターであれば…あの時の山全体を範囲とした浄化も一人で可能になるかと」


えー…?あのスペルの影響がまだ続いてるのか?

試しにBW・ヴァリアブルを取り出して、変形させてみる。剣の形状にしてみると…


「…めっちゃ滑らかに変形した」

「一秒もかからなかったのう。以前はどのくらいかかったんじゃ?」

「…うーん、二秒から三秒くらいだったかと」

「…ふむ、なんというか…」

「…覚醒した、と表現するのが正しいように思えます」

「…今だったら、霊夢に能力を見てもらったらちゃんと見えるようになってるかもな。…いろいろ終わったらまた行く所が増えたか」



まず博麗神社で能力をまた鑑定してもらって…その後に紅魔館でパチュリーさんに精霊魔法の…あ、でもさっきのビヤンコの話だと習う必要もなさそうに思えるが…見せる約束はしてるからやっぱり行くべきか。


「…ま、まずはここで紫様が来るまで休むのが先だね」

「そうじゃそうじゃ。…ちゃんと休ませんでおったと聞いたら、儂が何をされるか…」

「…藍様の折檻みたいになるのかな」

「何が起こったのじゃ…」


…以前あったお仕置きについて話して、藍様の様子を教えると…


「…嫌じゃ嫌じゃ、そんな風にはなりとうない…」

「…マスター、怖がらせすぎ…」

「全部事実なんだけどなぁ」



大天狗さんが立ち直った所で、文さんと椛が入ってきた。


「あ…よかった、目が覚めたんだ」


救護室でまず最初に治療を行った相手が椛だった。…たぶん一番最初の被害者だったから瘴気でのダメージも大きかったらしく、うなされていた。浄化をかけたら、落ち着いた様子で眠っていたのだが。


「あの、ありがとうございました…」

「いいのいいの、普通の治療だと無理だったからさ」


わしゃわしゃと撫でてみた。…ジト目で見られたけど、尻尾はパタパタふっていた。


「…本当にクーと反応がほぼ一緒なんだなぁ…あ、そういえばクーはまだ橙と一緒にいるのかな」

「ほほほ、私が連れてきましょう」

「メラン、頼むよ」


メランは空間魔法で移動し…すぐに帰ってきた。


「主様…!」

「おー、よしよし…」

「主様、怪我したの?」

「ちょっと反動で動きづらいだけだよ」

「…よかった」

「…な、なな…」

「あやや、大天狗様?」

「なんじゃこの可愛いのは!」


大天狗さんがクーを持ち上げて頬ずりし始めた。…あぁ、クーが嫌そうな顔をしている…


「…あるじさまぁ…」

「…大天狗さーん、嫌がってますよー。それ以上やると嫌われますよー」

「…むうぅ…もっと愛でたいのに…」

「度が過ぎますよ大天狗様…」


ふと椛の方に目をやると遠い目をしていた。…昔やられたのかな。文さんも似たような目になってるし。


「…はふ」


髪を整えて隣に座ったクーは、嬉しそうにくっついて…ジリョーヌイを見て固まった。


「…誰?」

「ジリョーヌイ。…新しくマスターに仕える精霊だよ」

「そうなんだ…よろしくね」

「うん、よろしく」

「…えへへ」


…大天狗さんの頬が緩みっぱなしだよ。

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