少なすぎる手がかり
「で、貴方がどこから来たかだけれど…今のところ、全くメドが立っていないわ。手がかりが少なすぎるもの」
「…そうですか」
まあ…それは確かにそうだろう。この幻想郷の結界のどこから入ってきたかも分からない、という話だったし。どちらの方角から来たかすらも分かっていないんだよなぁ。
「とりあえず、昼間に言ったように…貴方を訓練するから。まぁ、訓練してみて全然ダメなら、ここと人里くらいしか行き来出来ないし、調べる際に私か藍が着くことになるけど…」
「…紫様、全部私に押し付けるつもりでしょう、そうなったら」
「そ、そんな訳ないじゃない」
目を逸らしている。…図星だったのか?
「ま、飛行が可能なら弾を出すのもすぐに出来るようになるでしょ。明日は忙しくなるわよ、覚悟しなさい?」
「ええ…分かりました。頑張ります」
「ん、素直な子は好きよ」
紫さんが、頭を撫でてくる。…暖かい。
「ちなみに、その前に弾を避ける訓練だったりが入るけれど。まあ…藍を押し倒すスピードが出せるならそっちも大丈夫でしょ」
藍さんは赤面し、自分も俯く。なぜさっきの傷をえぐってくるんだこの人は…あ、人じゃなくて妖怪だったか。
…とにかく、今日は目の前に出されたご飯を食べて、休むことにしよう。
明日は体力的に辛いことになりそうだ。