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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
13章 屋敷での一日
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浄化作用

昼ご飯の時間に、紫様は起きてこなかった。

とは言っても、それが普通だったりする。起きてくるのは夕暮れ時が常なのだ。


「ううー…」


涎の被害はどんどん広がっているらしく、好物のいなり寿司を食べている間も表情は優れなかった。


そして、昼ご飯の後。ビヤンコが永遠亭でのお勤めが終わってこちらに戻ってきた。


「んー…やはりマスターの側が一番落ち着きますわ…」

「ビヤンコ、とりあえず今日で仕上げだから頼むね」

「はい、マスター。…それでは、メランを呼んでください」

「ああ、分かった。メラン!」

「ほほほ、今日も光魔法の修行ですな」

「うん。頼むね」


メランは頷いて、庭に置いてあった幾つかの大きめの立方体に、魔力を満たす。


「闇魔法の本質の一つ…か」


闇の魔力は、そのままで放出すると瘴気に似た性質を持つ。


「…準備完了ですぞ」

「ありがとうございます、メラン」

「ほほほ、このくらいはすぐにでもできますからな」


ちなみに、僕は純粋な魔力の放出はできない。僕が持っている元の力が邪魔をしてしまうのだった。


「ではまず…物体に直接触れることからおさらいですね」

「……っ」


手に、光魔力の力を纏わせる。…手袋状に加工した魔力は、離れる事は無い。


「よっと。これでいいかな」

「はい。では次に…そのまま浄化を」


魔力を更に流し込んで、内部の瘴気もどきの性質を書き換える。


「…はい、終わり」

「合格です。では次…」


箱を置いて、次に魔法を当てて浄化する。


「…はい、大丈夫です。最後は…」

「範囲を指定して浄化だね。でもその前に…アレを試したいんだけど」

「スペルカードですね。では…」


一番大きな箱に狙いを定めて、武器を構える。


「浄喰『聖域の顎・真』」


顎の形に変形した武器は、今までと違って光の魔力を纏ってバチバチと音を立てている。


「そりゃっ!」


バクン、と闇の魔力が詰まった箱を食う。…痛みは無い。

数秒ほど顎は蠢いて、ぺっと箱を吐き出す。内に詰まっていた魔力は跡形もなく消えていた。


「うん、ちゃんと作動してる。これで僕の身体への負担は無くなったね」

「はい。…マスターがしっかりと私の力を使役できている事に実感されていて…私は感激です」

「ありがと。でもまだ広域浄化が残ってるや」

「…マスター、たぶん…マスターならすぐにできると思うのですが…」

「…うーん、ちゃんと魔法が使える実感がやっと湧いてきたばかりだから、慎重にやりたいんだよね……はっ!」


範囲浄化によって、残りの箱全てを浄化した。


「…光魔法の性質の一つ、浄化については完璧ですね。おめでとうございます」

「ありがと。次は…実戦形式で使える光線だね」

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