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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
13章 屋敷での一日
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午前の修行、式と手合わせ

「じゃあ私はもう一眠りするわねー…藍、尻尾借りるわね」

「はいはい…」


朝食の後、紫様は藍様の尻尾をスキマで一本分離させて自分の部屋に戻っていった。


「やはり無理をしているのだろうな…」

「僕のせいですかね…」

「いやいや、妖怪というものは夜行性なのだが…紫様は起きている時間の方が短いからな」


…最近は昼間でも起きていることの方が多かったが、無理をして起きていたのだろう。

紫様は、精霊たちから聞いた僕が居たであろう建物の特徴を聞き、探しているようだった。だが、なかなか見つからない…と数日前に酔った勢いで出た愚痴で話してきた。


「……」

「…黄が気に病む必要はないよ。さ、修行をするんだろう?」

「はい。クー、一緒にね」

「…はーい」



軽いストレッチなどの準備を終え、クーと向かい合う。


「さ、来なさい」

「…っ!」


クーの武器は短剣を使わせている。狼としてのスピードを存分に生かすためだ。投擲の方法も、たまに紅魔館に自分で行って習っているらしい。


「よっ、とと…普通の攻撃に魔術を交えてくるのがだいぶ上手くなったな」


僕は、武器を二振りのカトラスにして、攻撃を受け流したり避けたりする。たまに飛んでくる土の棘や、光線、影の玉は武器で相殺する。


(…そういえば、この武器の名前ってまだ決めていなかったな)


と、余計な事を考えていたら足が地面に飲み込まれていた。


「うわ、いつの間に…」

「…隙あり…っ!?」

「隙を作るところまではいいけど、なんで正面から来ちゃうかなー」


ここで一撃を入れられると思ったクーの油断だろう。正直に正面からまっすぐ首を狙ってきたので身体を少し前に倒すようにして捕まえた。

この手合わせは僕が捕まえた所で終了、という風にしている。


「…むぅ、ダメだった…」

「途中までは良かったよ。単独で使うならなかなか上手くなったよね、魔法の扱いも」


クーは複合魔法が使えないのだが、単独属性の魔法を時間差で使ったりして擬似的に複合魔法に似た状態は作れるのだが、最初から複合魔法として打ち出すことができないようだった。


「よっこいせっと。靴の中が土まみれだ…」

「…むー」

「拗ねないの。確実に成長してるんだからさ」

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