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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
12章 求むるは癒しの道具
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変則複合

「…今の通りに…っ、やるぞ!」

「うん、分かった!」


フラーウムとメランの分身体を、五体ずつ作る。


「行って!」


合図を送り、微妙に時間をずらしながらそれぞれをセットにして地面に潜らせる。

それぞれがわざと相手に分かるように近づき、奴もそれに気づいたみたいだ。


「ーーーッッ!!」


近づいた分身体を、消し飛ばすようにして光線が放たれる。

地面はなすすべなく抉れ、溶けるが…僕は無事だ。


「うわー…あぶなっ」

「数瞬遅れていたら、消し飛んでいましたな」

「そうだね…よし、別ルートでもう一度!」


危険を感じたら、すぐに盾のところへと空間魔法で戻るように言ったのだった。

奴からはまるでこちらが無尽蔵に地面から攻撃しているように見えるだろう。

精霊の中でも最上級クラスなのと、闇属性空間魔法が使えるメランがここに居たからこそできる撹乱作戦だ。

しばらく続けると、奴の周りは全て掘り起こされたようになっていた。


「ほほほ、準備完了ですぞ」

「よし、じゃあ…重力十倍、いくよ!」

「「了解!!」」


奴の下、15メートルほどの部分を基準にして、一気に重力を強める。すると…


「ーーーッッッ!!?」


奴からは、地面が急激に陥没して、自分も吸い込まれたように感じただろう。吸引型の落とし穴だ。


「よし!」


穴を見ると、奴は頭を下敷きにして這いつくばっていた。

光はあの頭からでないと出せないようだったので…攻撃は封じた。


「浄喰『聖域の顎』」


手に持った武器が、バキバキと形を買えて捕食のための形状に変わる。


「…さよならだ」


バクンと、敵を喰らい、丸呑みにする。


「…っ、く…」


瘴気が伝わり、膝をつく。…武器から手は絶対に離さない。

…数分ほどして、瘴気の浄化か完了した。武器が、ペッと玉を吐き出す。


「やっぱり、か…」

「うん、僕も見覚えがあるよー」

「私も良く覚えています…名前は確か…」


玉に触れ、その容器を砕く。

粒子状に立ち上った光は、人の形を為していく。


「……ん、ぅ…ここは…?」


白衣に、金髪の女性。手には銀色の表紙の本を持っている。


「…これで、三つ目…あと、五つ…」

「あなたが、出してくれたんですね…ありがとう…って、ちょっと!?」


瘴気の浄化というものは、ひどく僕の体力を消耗させるらしい。精霊達の慌てた声が響き、受け止められるのを感じながら…幻想郷に来て何度目かになる意識が刈り取られる感じを味わうことになった。

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