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喧嘩するほど

「む、薬はまだもらっていないのか」

「今準備しているみたいです」

「…おい、その呼び方やめろって言っただろうが！」

「いいじゃないの、可愛いんだし」

「良くない！」

妹紅さんは立ち上がって、輝夜さんに噛み付く勢いで怒鳴っている。輝夜さんはケラケラ笑いながら受け流しているが。

「…喧嘩するのは別にいいが、口喧嘩だけにしておけよ。以前俺が居た時に客間をぶっ壊して永琳にお仕置きを食らってただろうが」

「…うぐ」

「そうだったわね…思い出したくないわ…」

一体何があったんだろう…二人とも顔が青ざめてる。

「それに、黄も居るんだから…」

「…あ、あぁ、そうだったな。すまん」

「いえ、気にしてませんから…」

輝夜さんと虚空さんは、僕たちの反対側に座る。

座ってすぐに、虚空さんは林檎を切り始めた。

「相変わらず上手ねぇ…」

「羨ましがるなら、たまには自分でやるようにしたらどうなんだ？」

「…指切っちゃってから面倒になったわ」

「逆に潔いんですね…妹紅さんはできるんですか？」

「…人並みにはな」

にやり、と輝夜さんに向けて笑う。…この場合は嗤う、とした方が正しいのか？

「…むぐぐ」

「ふふふ、一人で暮らしてる分家事はちゃんとできるんだからなー」

…なんだかんだで仲が良いんじゃないだろうか、この二人。