死闘の爪痕
焼けた竹がパチンと弾け、戦場に訪れた静寂を破る。
…ひどいな、これは。クレーターは出来放題だし、血があちらこちらに飛び散っている。
その中心に、妹紅さんと…黒焦げになった人型の何かがあった。
「…よう…今日は私が勝ったぜ…」
「…はぁ、お前らは…ちゃんと周りに被害がいかないようにしているとはいえ、相変わらず激しいな」
妹紅さんの服は血塗れで、所々破けていた。
「あ…黄、か?…見られちゃった、か…」
「…いえ、その…紫様からは聞いてましたから…」
空間魔法で、自分の部屋に繋いで…部屋で着ている上着を取り出す。
「とりあえず、これを羽織ってください。…女性がそんなボロボロで外に居るのは見たくないです」
「あ…あはは、ごめんな…」
…虚空さんは、着ていたコートを脱いで、黒焦げの何かを包んでいた。おそらくあれは輝夜さん…という事になるのだろう。
「…ごめん、黄。肩かしてくれ。ちょっと動けそうにない…」
「いいですよ。…というか、動けなくなるまでやるんですか」
「そのくらいしないと、私が負けるから…向こうも、同じだけど」
「私には理解出来ないねぇ…」
「理解されようとは思ってないさ」
「…えっと、僕たち永遠亭に向かう予定なんですけど、いいですか…?」
「…この状態だったら文句は言えないよ。任せる」
「そっちは大丈夫か?」
「はい。虚空さんは…」
「こっちも大丈夫だ。ゆっくり行こうか」




