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目覚めは見覚えの無い森の中で
世界は、こんなにも眩しいものだったか。
森の中でぐったりと横たわっている自分の手のひらで、日差しを遮るようにしながら身体を起こした。
「…ここは、どこだ?俺は…?」
起き上がる。身体の状態を確認。
どうやら外傷はなさそうだ。
「…うーむ、どうしたもんか」
じっと考える。
まず、自らの名前が思い出せない。
それに、どうしてこんな場所に来たのかも思い出せない。
「とりあえず…喉が渇いたな。…水の音がする、川が流れてるのか…行ってみよう」
ゆっくりと歩き出す。
…?誰かに見られているような気がするが…気のせいかな。