表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Called end of True  作者: 野崎リント
少し長めのプロローグになりますの
5/9

人生最大の5つ目くらいの分岐点がくる前兆の出来事です。

7月上旬。

ケースワーカーの人が私たち姉妹を訪ねて施設へやってきた。

用件は今いる隔離施設ではなく、学校へ通える施設へ行かないかと言うことだった。

一週間後ぐらいに施設の下見に行こうということで、ちょうど図書館へ行く日だったので本当は行きたくなかったけれど今後の人生を大きく左右する選択を迫られるのだろうということは小学生でも分かるだろう。「わかりました」と返事をした。


その日、事前に図書館へ行くことが分かっている指導員に武者小路実篤の『友情』を借りてきてくれるようにお願いをしておいた。


一週間と二日後。

ケースワーカーが児童相談所の車に乗って、私たちを迎えに来た。

車で40分近くかけて移動した先。

大きなユズリハの木が立つ広場に、私と妹は立っていた。

木の下から周りをぐるりと見渡すと、同じような建物がユズリハを囲むように建っている。

その内の一つに、いかにもここが事務所です!みたいな雰囲気を放つ小さな小屋があった。

ケースワーカーは私たちを連れてその中へ入ると、事務所内にいる人たちに私たちの事を紹介した。

「藤岡雅ちゃんと、妹の楓ちゃんです。」

ケースワーカーの人が事務所の人たちに私たちの家庭事情を伝えている間。

私はなんとも肌に合わない空気を不快に感じていた。

本能的に、この施設は自分には合わないと、どこかで感じているのだろう。

早く施設へ帰りたかった。

ここはどこにある施設なんだろう。

私が住んでいた場所に、近い所なのかな。

アキがここら辺をたまたま通りかかるなんて奇跡は起きないだろうか。

あるわけないか。

思わず自分の思考に失笑してしまった。

事務所の人たちがここでの生活ルールやなんかを話してくれる。

私たちが好きな食べ物や旅行で行ってみたい場所をあれこれ聞かれた。

「ニンジンは嫌い」

存在意義が分からない。と話すと周りの人たちは妹も含め大笑いした。

そういうところは子供らしいんだね、と。

私は周りにどういう認識をされているのかと気になる一言だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ