嫌な記憶と昔の記録
黒い髪
少し横長レンズの眼鏡
少しかすれたような声
赤紫の瞳・・・。
神崎が我に返ったときには、目の前に男の姿はなく、気づいた時には遅かった。
彼女の首元でナイフが静かにぎらついていた。
「やっと見つけましたよ。砂羽。」
「澪・・・どうして・・・」
男は耳元で囁いた。
「どうして生きてるかって事ですか?その答えは簡単ですよ。僕は死んでなかった。ナイフで刺されたくらいで死にませんよ、僕は。」
そして、ほほに冷たいキスをした。
残酷なくらい、身体を凍らせていく程の冷たいキスを・・・。
(獅織・司・一馬)
「ほ~!」
「龍崎さんの机はシェルターだったんですね。」
「俺もこの前知ってさー、勝手に入ったら(龍崎に)マジ切れされた。」
「不法侵入になるから、司。」
龍崎の机の下を少し動かすと、そこには巨大な空洞が広がっていた。
何もない灰色の空間。
彼らは、そこに各部隊から徴収した隊員リストとマッドデビルに関する書類を全て運んできた。
(龍崎)
攻撃を何とかかわした龍崎の顔のすぐ横に刀を突き立て
「俺の名前は焔。お前らが殺したマッドデビルだよ。知ってるか?復讐は繰り返されるって事。」
「どういうことだ?」
「こういうことだよ!」
そういいながら、焔はもう一つの刀を龍崎の腹に深く刺した。
「お前ら死神はこうやって俺の全てを壊した!俺の目の前でな!マッドデビルだっていう理由だけでな!だから今度は俺がお前を殺す番だ。同じようにな!」
焔は刀を抜こうとした。しかし、龍崎はとっさに焔の手首を握った。
「何すんだよ!」
「復讐が繰り返される?そうだろうな。俺だってお前らがむかつくんだよ。だから、ここで終わらしてやるよ。復讐の連鎖をな!」
そういうと、龍崎の両手が赤い炎に変わり、焔の身体を包んでいく。
「燃やし尽くせ!朱雀!」
その言葉と同時に、炎の火力はさらに上がって行く・・・。




