独自検証
数日後
(総隊長室前)
龍崎と獅織、司は総隊長室の前に来ていた。
「あの・・・龍崎さん・・・。」
「隊長と呼べ。獅織。」
「俺ら、なんか悪いことしましたっけ?」
「何もしてねーよ。」
「だって・・・ここ・・・総隊長室じゃないですか!」
「なんかやばい事したとしか思えないじゃないすか!龍崎隊長!」
「黙れ(怒)入るぞ。」
「俺、何にもしてないのに怒られるのいやだ!!」
「司、おま・・・黙れ(怒)」
龍崎は、神崎の指示で獅織と司を総隊長室に連れてきていたのだが・・・
(総隊長室 室内)
「兵頭・・・(笑)」
「神崎先生すいません。司は精神年齢が・・・」
「わかっとる(笑)」
「呼んできたほうがいい?兄さん・・・」
「神崎様、私がお呼びしましょうか?」
「大丈夫だ。面白いからもう少し聞いてようではないか。」
総隊長室の中には、総隊長以外に、各部隊の隊長が勢ぞろいしていた。
その中に豪紫と摩那、そして豪紫の弟、一馬もいた。
「龍崎隊長・・・大変そうですね(笑)」
そういいながら、書類に目を通しているのは、第四部隊“創世”の隊長、霧乃宮椿。
学院の武具士訓練コースを首席で卒業。入隊2年で隊長にまで昇進した才女でもある。
「あれじゃ、子守だな。かわいそう。」
「やっぱり冷たいね。悠馬。」
「朝比奈に言われたくない。」
コンコン・・・
「龍崎だろ。もうわかっておるから入れ。」
「すいません。失礼します。」
龍崎は、殴るということで黙らせた司を連れて入ってきた。
「子守お疲れ!」
「豪紫、お前な・・・俺の身になってみろ(泣)」
そういいながら龍崎は席に着いた。
「お前らも座れ。」
龍崎の横に獅織と司は緊張しながら席に着く。
「先に行っておく。お前らを怒るつもりでここに呼んだのではないぞ。香西、東凰院、久しぶりだな。」
神崎は笑いながら彼らのほうを見た。獅織は少し恥ずかしかった。司はというと・・・
「あ~神崎先生!マジ久しぶりっす!」
相変わらずの強心臓ぶりを発揮中といったところだ。
「おまえはもっと緊張感もて。」
神崎は呆れ顔で司のほうを見つめた。龍崎はそれを見て司の脳天目掛けて思いっきりこぶしを振り下ろした。
「じゃ、全員集合ということで・・・。まず事件の被害者が増えた。今度は女性死神。今日早朝、中庭に浮いていたそうだ・・・。解剖の結果、体内の全ての血液が抜かれている状態との事。これで6例目。このような猟奇的犯行に出る相手を絶対に許すことはできない。」
いつも冷静な神埼が、この日ばかりは少し感情的になっているのが呼ばれた隊長達全員が見ただけでわかっていた。
「ここに集まってもらったのは、ここにいるメンバーでこの事件専門の特殊チームを結成する為だ。このチームには、外部より、兵頭家の兵頭豪紫と兵頭一馬にも加わってもらうことになった。そして、第二部隊より香西獅織、東凰院司の2名、それと今日ここにはいないのだが、第四部隊より1名、加わってもらうことになった。霧乃宮、紹介を。」
神崎の合図で霧乃宮は書類を手に紹介を始めた。
「はい。第四部隊隊員、小僧院弼。彼は、入隊して1年目なのですが、武具の知識、製造においてわが部隊の中ではトップクラスの腕を持つ武具士です。また、傷を見るだけで相手がどのような武具を使用しているのか瞬時に判別することができます。私としては、今回のこの事件において彼の能力が解決への近道になると判断し、今回このチームに参加させることにいたしました。以上です。」
「では、会議を始める。まず、25年前から数回続いているこの事件について、研究をしている一馬。今回の事件についてどう思った?」
神崎は、一馬に質問を投げかける。
「はい。この事件は、今までにあった村民集団殺害事件との関連性が高いと思います。また、被害者の遺体の状態および発見状態が猟奇的で残虐です。この点だけで考えると、加害者は被害者もしくは被害者に関連する者に強い恨みを感じているものと考えます。」
一馬は、淡々と事件についての独自の検証結果を話し始し続ける。
「これは、僕としての見解なのですが、25年前の事件で加害者とされた、マッドデビルではないかと思います。彼らは、最初の事件の後、種族ごと抹殺されています。ただ、もし、生き残っている者がいるとすれば、今回の事件は彼らによる報復と考えられます。僕としては、マッドデビルの記録と当時の抹殺者リストとそれと各部隊の隊員リストの照合をしていただきたいと・・・。」
そこにいた誰もの顔つきが変わった。
「一馬、ちょっと待て!この部隊の中にまぎれてるっていうのか?」
龍崎の言葉に一馬はこう返答した。
「可能性を否定することはできないです。彼らは、記憶を捻じ曲げたりして、潜伏することもできます。なので・・・確認をお願いします。」
(某所)
「もういやだよ・・・」
「泣くなよ。俺だっていやだよ・・・。」
「いつになったら、帰れるの?」
薄暗く、冷たい檻に2つの小さな影。
小さな子ども達が何かから隠れるように隅っこに互いの身体を寄せ合ってた。
「死にたくない。死にたくないよ・・・。」
「・・・絶対に生きてやろうぜ、俺達。」
「え?」
「どんなことされても、絶対に生きて、ここから出てやろうぜ。どんな形でも・・・。」
「・・・うん!」
そういって、手をつなぎ、寄り添うように眠った。




