開放かそれとも・・・
(山王)
山王の武具、五芯は、普段の形から合体し、一つの大きなメスのような武具へと変わった。
「あなたを・・・解放します。」
焔は、その言葉に「はぁ?」と呆れるように返した。
「あなたの苦しみを、あなたから解放する。それが僕の仕事ですから。」
山王は微笑みながらそういった・・・。
「お前らに何がわかんだよ!目の前で家族が殺される気持ちなんかよ!」
焔はそういうと、黒い炎に包まれた2本の刀を降り下ろした…
「てめぇらこそ、苦しんでろ!」
刀から切り離された2つの炎は、大きさを変え、まるで周囲の全てを取り込む様に成長し、山王を襲っていく…
山王は、五芯の刃を前に向けると、2つの炎からの攻撃をかわす。
まるで、炎を切り裂くように・・・
「同じ目に遭わしても、まだ足りねぇ!てめぇらの存在が無くなってもまだ殺り足りねぇんだよ!」
そういいながら、また焔は刀を振り下ろす。
何度も
何度も・・・
「あなたがやった事は大罪です。しかし、僕達、死神もあなた方にした事は立派な大罪です。ここで戦うことは、復讐の連鎖を生み出すだけではないでしょうか?だから・・・」
「お前も、同じ事言うんだな。この前の死神と同じ様に・・・お前らが終わらせるんじゃねぇ、終わらせるのは、俺だ!」
焔は強い口調でそう叫ぶと、山王のほうへ走り出した。
しかし、途中で焔の動きは止まってしまう。
焔の右足を何かが貫通し、血が溢れだしていた。
焔は、貫通した勢いでその場に倒れこみ、右足を抱えながらうずくまってしまった・・・。
「不動先輩!」
うずくまった焔の後ろに、銃口を向けた不動がいた。
しかし、焔の傷口は少しずつ塞がっていく。
「和丸!そいつの傷が塞がる前にやれ!お前の手で!」
山王は涙目で静かに頷き、五心の刃先を焔に向けこう叫ぶ・・・
「封じたまえ、時空の羽衣!」
焔の身体をオーロラのような羽衣が少しずつ包んでいく。
焔は、その羽衣の中で捕まるまいともがいていた。
「俺はあきらめねぇ!お前らを絶対に許さないからな!」
その叫びが断末魔のように聞こえた後、焔は意識を失っていった・・・。




