病室と離れ
(第5部隊 集中治療室)
「護憲!おはよう。」
「おはようじゃねぇだろ・・・豪紫(笑)」
ドアを開けたその先には、ベットを少し起こしてにこっと笑った龍崎の姿だった。
「そっか(笑)とりあえず・・・おつかれ。」
そういいながら、豪紫は煙草を差し出そうとする。
「豪紫様!ここは禁煙です(怒)」
摩那はそういうと、さっと煙草を取り上げた。
「そうですよ!兵頭先輩!それに今の龍崎隊長の身体には毒ですのでやめてください。」
「は~い・・・だって、護憲(笑)」
「俺の至福の時間が・・・(泣)」
「じゃ、これは?」
といいながら今度はポケットから酒を取り出す。
「豪紫様・・・(怒)」
「だめに決まってるじゃないですか(怒)」
豪紫がふりむくと、そこには冷たい目で豪紫を見つめる摩那と山王の姿があった・・・。
「ごめんなさい・・・。」
そういいながら、静かに酒をポケットにしまった。
「そっちもだめか・・・(泣)」
龍崎はそうつぶやきながら、窓の外に眼を向けた。
「あの方々(=豪紫と龍崎)は馬鹿ですね。」
「相変わらず冷たいな、不動。でも、今日はお前に賛同する・・・。」
そういいながら、不動と朝比奈は冷ややかな目でその光景を見つめていた。
「香西です。失礼します!」
獅織たちは、ドアを開け静かに入室した。
「お前ら、無事だったか。」
「「「はい!」」」
「そうか。」
「あと・・・」
獅織は、龍崎に神崎の指輪をそっと渡した。
「これは・・・。」
「隊長の机の下のシェルターに落ちてました。」
その言葉に続くように一馬が口をあける
「僕たちが敵との交戦中に・・・総隊長を抱えた敵が来て・・・そいつらが去った後にこれが・・・。」
龍崎はじっとその指輪を見つめたまま。
まだ現実を受け入れないような悲しい目で・・・。
「龍崎、本部のエントランスに・・・。」
朝比奈はその指輪の横に黒皮の手袋ともうひとつの指輪をそっと置いた。
豪紫は、龍崎の過去を知っているだけにその光景を見るのが辛く、耐えられなかった。
(深夜 第2部隊離れ)
龍崎は、勝手に病室を抜け出し、重い身体を引きずりながらここに戻ってきた。
「やっぱ、落ち着くわ・・・」
そういいながら、止められていた煙草に火をつける。
部屋の電気はつけなかった。
ここにいる時間を誰にも邪魔されたくなかったから。
「俺は・・・また止めれなかった・・・。何のために死神なったんだよ・・・俺は!」
龍崎は泣きながら床に思いっきり拳を振り下ろす。
泣きながら
何度も
何度も・・・




