それぞれの思いが交錯する
(第5部隊 集中治療室)
「柊。」
そこには、第五部隊の隊長がそこにいた。
「とりあえず俺の部屋で話そう。」
そういって隊長室に案内された。
彼らがその場を後にした時に男の子はその場所に到着した。
(第5部隊 隊長室)
「柊。神崎なんだが・・・単刀直入に言う。職務に復帰できないかもしれない。」
「ど・・・どういうことですか?砂羽が復帰できないってどういうことですか!?」
隊長から唐突に投げ出された言葉に、柊は驚きを隠せなかった。
「治療をしていてわかったことなんだが・・・精神的にも・・・肉体的にもかなりのダメージがある。もし、このまま神崎が目覚めたとしても、神崎がいつも通りに過ごせるかどうかも・・・」
柊は全てを悟った。
隊長がオブラートで包んだように話すこの言葉の真相が何を表すのか
(オレガ・・・オレガ・・・アノトキニ・・・キズイテイタラ・・・)
後悔の念がただひたすら心の中を渦巻いていた・・・
(第5部隊 集中治療室)
扉の前のソファーに男の子は座っていた。
部屋に入ろうとしたら、面会謝絶を理由に隊員達に制止された為である。
そこに話を聞いた柊が戻ってきた。
「弁慶・・・」
男の子は泣きながら弁慶に抱きついた。
「お前・・・」
寝巻き姿で裸足
体中傷だらけで泥だらけ
無我夢中でここまで走ってきたのが目に見えてわかるような状態であった。
「砂羽が・・・帰ってきたのに・・・会わせて・・・くれないんだ。」
泣き続ける男の子を、柊はただ抱きしめるしか出来なかった。
(某所)
「砂羽・・・どうして・・・」
男は、ベットに横になりながらそうつぶやいた。
身体から流れる血も傷口が塞がり止っている。
「僕からは、離れられないのに・・・すぐ、迎えに行くからね。」
そうにやっと笑いながら彼はつぶやいた・・・。




