その眼に映ったもの
(翡翠黒鬼 第二部隊隊舎廊下)
「おい聞いたか?」
「あぁ、あのミッションの後、神崎が消えたってよ。」
「噂だと、悪魔に・・・」
「神崎が悪魔にな・ん・だ・っ・て?」
噂話をする死神達の間にわって入るように声をかけた男。
柊弁慶、神崎とは学院時代からのライバルでもあり、友達でもあった。
「「「柊さん・・・すいません!失礼します!」」」
彼の顔を見るなり、話をしていた死神達は足早にその場を去った。
「砂羽の奴・・・どこに・・・」
そういいながら、煙草に火をつける。
「弁慶・・・。砂羽は?」
彼の足元には小さな男の子がいた。
「護・・・どこ行ったんだろ~ね~。探さねぇといけないな・・・。」
柊は、煙草を口で銜えると、左手で子どもを抱え部屋に戻っていった。
(マジデ、ドコイッタンダヨ・・・スナハ・・・)
夜
男の子を寝かせると、柊は窓際で晩酌をしていた。
ふと窓の外に目をやると、正門の前でふらふらと動く何かを見つけた。
柊は慌てるように部屋を部屋着のまま外へ飛び出した・・・
(正門)
「・・・砂羽!」
扉に寄りかかるように神崎が気を失っていた。
身体も服も何もかもがボロボロで顔はやつれていた。
手には、ナイフが強く握られている・・・。
(第5部隊 集中治療室)
「おい。砂羽は無事なのか!」
部屋から出てきた隊員の肩をつかみ神崎の病状を確認する。
「後ほど、隊長のほうから説明がございますので・・・」
隊員は何も答えてはくれなかった・・・。
柊は煙草に火をつけ、少しでも落ち着かせようとしていた。
(第二部隊 隊舎)
「う・・・」
男の子は、布団から出ると柊の姿を探した。
しかし、目に入ってくるのは、飲みかけの酒と吸いかけのタバコが置かれた灰皿。
「どこいったんだよ・・・弁慶。」
そういいながら部屋を出ると、なにやら周りが騒がしい。
「正門で神崎が倒れてたらしいぞ。」
「柊さんが見つけて第五部隊に・・・」
それを聞いた男の子は、そのまま裸足で部屋を飛び出していった。




