友達?
男の子は、いつもフードを被り、目の前で遊ぶ同じ年ぐらいの子達を見つめていた。
“ネ~?ミンナ!アソボウヨ!”
男の子が他の子ども達の輪の中に飛び込んでも誰も入れてくれませんでした。
“ドウシテ、ミンナ、ボクトアソンデクレナイノ?”
“オマエトハアソバナイ!ダッテアクマダモン!”
必ず返ってくる答え。
だから、男の子には友達はいなかった。
家に帰っても誰もいない。
物心付いた時には、この家には誰もいなかった。
だから、話し相手はいない。
彼の相手はいつも家に転がっていた本だった。
数年後
男の子は森で動物やきのこ、植物を採りそれを食料として食べ暮らしていた。
その目の前にすばやく大きな物体が横切る。
その先に目をやると、狼の首元に爪を立て口で肉を引きちぎる男がいた。
“ナ・・・ナンダヨ・・・アレ・・・”
その声を聞いた男は、彼のほうを向くといきなり飛びついてきた。
しかし、爪を立てるなどの攻撃はしてこない・・・
“オマエ、マッドデビル、カ?”
彼はおびえながら縦に首を振った。
“ジャ、オレトイッショ!ナラ、クワナイ。”
“ホントニ?”
それから、彼らは友達になった。
お互いの過去も打ち明けた。
“ボクハ、アクマッテリユウデ、ダレモアソンデクレナイシ、イエニカエッテモダレモイナイカラ、ショウジキサミシカッタ。”
“オレモオヤノカオシラナイ。ダッテ、アノモリニ、ガキノトキニステラレタカラ。リユウハシラナイケド。”
それに彼らの中で共通の話題が合った。
“死神が嫌い”
彼らもまた死神達に命を狙われ、迫害を受け続けていた。
“アイツラ、コノモリヲヤキハラオウトシタンダ!ダカラ、ミンナ、オレガコロシテ、クッテヤッタ!”
“スゴ~イ!ボクハジブンデネ、イママデ、アソンデクレナカッタヤツヲ、ミンナバラバラニシタンダ
。”
“オマエモヤルナ!”
“アリガト。”
そう語りつづけた。
毎晩、毎晩・・・




