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KEY  作者: Kanon-K
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あえて踏み外してここに来た。

・この話の一部に残酷な表現が登場する箇所もございます。ご注意くださいませ。

・PIXIVで連載している「鎮魂歌・零」の過去編「KEY」を少しだけ書き直して掲載しています。

翡翠黒鬼ひすいこっき


数ある死神部隊の中で、ここはあらゆる戦闘術を駆使して敵の存在を世界から抹殺することを習わしとしている部隊である。


通称:暗殺部隊、処刑執行部隊


香西獅織は死神育成校・精霊学院死神訓練校を卒業後、実家を継がず、この部隊に入隊した。


ある死神を追うように・・・。


(入隊式)


「香西獅織です!本日付で第二部隊“幻夢”配属になりました!よろしくお願いします!」


この日、獅織と共に入隊したのは15名。

皆、まだあどけなさが残る子どものように純粋な目をしながら部隊長の目を見ていた。

しかし、獅織は違う目でその部隊長を見ていた。


武骨で冷酷な目をしたその男を・・・。


「部隊長の龍崎護憲だ。お前らに先に言っておく。この部隊は魔術を中心に駆使し、敵を始末することが主な任務だ。だから、次の覚悟ができない奴は他の隊に移るか除隊しろ!いいな。」


内容として挙げられたのは次の2点


・自らの身体を犠牲にすることができるか

・自らの感情コントロールを常に冷静に行うことができるか


新入隊員達は動揺し始めた。その中で獅織は龍崎に向かってこう答えた。


「覚悟は出来てる。だから、俺はここにきた!」



張り詰めた空気が流れた。

普通に考えると、新入りがリーダーに噛み付いている考えられない情景が流れているからである。



周囲もさらにざわつき始める・・・。



「香西獅織!」



龍崎はそういうと、自分の足元を指差し「こっち来い」といった。

獅織は、周りの死神達が避けてできていく道を進み、龍崎の前に睨みながら立った。


「本当に覚悟はできているな?香西獅織!」

「あぁ!出来てるよ!龍崎護憲!」


そういうと、龍崎は少し笑い、獅織の脳天目掛けて思いっきり拳を振り下ろした。


「痛った・・・。」


獅織はあまりの痛さでその場にしゃがみこんだ。

その間に、龍崎は他の隊員に向かってこう叫んだ。


「お前らも、こいつぐらい覚悟を持っているなら幻夢に残れ!猶予は2日!それまでに答えを出すこと!わかったな!それと、香西はこの後すぐに俺の部屋に来い!以上!」


こうして、嵐のような入隊式が終わった。



(第二部隊 隊長室)


「失礼します!」

「へーい。」


ドアを開けると、部屋は白くぼやけていてた。

それにかなり煙草くさい・・・。


「ま、そこ座れや。獅織。」


そういうと、来客用のソファーに案内された。

が・・・


「かなり煙草くさいです。龍崎さん。喚起しますよ・・・」


といって、獅織は窓を開けていった。



(喚起後)

「お前が、入隊してくるとはな・・・(笑)獅織。」

「学院に入る前から決めてたんすよ。龍崎さんのあとを追い続けるって。」

「ほ~。でも、あの場で呼び捨てはなくね?俺、一応隊長だし。」

「気合を入れた結果です。」


そんな時、ドアを叩く音がするなり何も答えることもせず開けられた。


「護憲!」

「お~豪紫!それに摩那ちゃん。久しぶりだな。」

「お久しぶりです。龍崎様。」

「摩那。こいつに様つけなくていいから。そんな価値は無い。あ、入隊おめでと。獅織。」

「価値は無いってどういうことだよ(怒)豪紫!」

「ありがとうございます。豪紫さん。」


龍崎と豪紫こと兵頭豪紫は学院の同期生である。学院時代の先輩にも当たる龍崎に憧れ、彼は、本来進むべき道を捨て、龍崎のいる翡翠黒鬼に入隊したのである。


「まさか、龍崎先輩のところに入るとは・・・おやっさん(=獅織の父親)もよく許したな。」

「お前な・・・俺もそう思った。継ぐと思ってたし。それで、こいつ入隊式で俺にタメ口聞いてくるからさ~、思わず殴っちまったぜ。」

「ほ~!獅織にしては珍しい。あれ、悠馬達は?」

「あいつ等、入隊式が終わったらこっち来るって言ってたんだけどな・・・。」


そんな話をしている時に再びドアを叩く音がした。


「不動で~す。」

「朝比奈で~す。」

「やっときたか!遅せーよ!」

「どぞどぞ!」


ドアを開けると、少し疲れた顔をした男達が入ってきた。


「あれ、どうして此処にいんの?豪紫?」

「本当だ・・・。お前なんでいるの?」

「こいつ(=龍崎)に呼ばれたからいるの!」

「あ、そう。」

悠馬ゆうま君、冷た!相変わらず冷た!」

「君つけんな!豪紫!聞きなれなくてムズムズするわ!」


不動悠馬と朝比奈尊も、龍崎と豪紫の同期生である。


「じゃ、全員そろったな。」


獅織は少し緊張していた・・・。

目の前には、ずっと憧れて見ていた先輩達がいるのだから・・・。


「改めて。翡翠黒鬼、第一部隊“時雨ときさめ”部隊長の不動悠馬ふどう・ゆうまだ。よろしくな。」

「同じく。翡翠黒鬼、第三部隊“鬼雷きらい”部隊長の朝比奈尊あさひな・みことよろしくね。」


「俺も自己紹介したほうがいい?」


「「「一応な。」」」


「兵頭豪紫。どこにも属してません。よろしく。」


「よろしくお願いします。」


改めての自己紹介・・・気まずい感じもしたけど一応終わった。




その1年後



「翡翠黒鬼第二部隊、幻夢配属になりました!東凰院司で~す。よろしくお願いします!」


司が配属されてきた。

龍崎は、去年の獅織同様に自分足元まで呼び出し、獅織と同じように質問した。



「本当に覚悟はできているな!東凰院司!」

「この俺に出来ていない物はないっすよ!龍崎隊長!」



そして、脳天に向かって拳を力いっぱい振り下ろした・・・。



(今度は、こいつが来るとは・・・)



東凰院司とうおういんつかさ。彼もまた、本来敷かれたレールを勝手に踏み外して翡翠黒鬼に入隊してきたのである。

東凰院家と香西家、兵頭家は数ある死神のチームや一族の中でも特に古くから活動してきた旧家である。司も獅織も様々な気持ちを持ちながらこの部隊の門をくぐってきたのである・・・



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