第二話 主人公とラスボスが弱え! それ以外が全員強え! ふざけるな!
本作は、
『4つの秘宝を求め、いざ大海原へ。』
『南の海を舞台に、海賊となって冒険を繰り広げるRPG。大海賊として名を馳せよう!』
『能力強化にアイテム作り! “海賊流”に自分好みを貫け‼』
『美しい南海の島々を舞台に繰り広げられる海賊RPG‼』
『ピストルから魔術まで何でもアリのバトル!』
と裏表紙に書かれている。
完全に詐欺である。
というか、この裏表紙のデザインは実に素晴らしい。めちゃくちゃ面白そうだもん(笑)。
まず海戦そのものがないので、海賊? といった疑問符が浮かぶ。
基本的に怪物と戦っているのが常であり、それは海賊の仕事と言えるのかどうか激しく疑問であるし、強くてニューゲームもないので、周回前提の性能である魔術が使用可能となるルートをストーリー目的以外で選択するメリットもないので、何でもアリと言っていいのかどうか(笑)。
本作は途中でルートが分岐する。
簡単に言えば、銃か魔術かを選べという分岐である。
ストーリー的には魔術の方が面白いのだが、戦闘面では銃のルート1択となるのだ。
しかし、剣の瞬間最強火力を叩き出したい場合は魔術のルートを選択する必要がある。
◇
まあ1000時間以上もプレイしているという事は、当然ながら最強育成も達成済な訳であるが、この調査が非常に面倒であった。
理由は本作の経験値である『栄光値』が有限である為だ。
限りある『栄光値』の為に、無抵抗のNPCを斬ったり撃ったりしておきながら栄光も何もないような気もするが、兎に角この『栄光値』の調査に膨大な時間を割く事になったのだ。
この『栄光値』、一応ではあるが無限に稼げるポイントは存在する。
しかし、一応と言うだけの事だけあり、そのポイントがなんとラスボス戦だけなのである(笑)。
ラスボスが行う召喚で呼び出された雑魚を狩り続ける事で、5つある能力の基礎値のカンスト自体は可能である。
基礎値は、という事はスキルカンストは不可能であるが為にトロフィーのオールラウンダーを獲得するには最低2周する必要があるのだ。
別に基礎値だけカンストした所で、後はエンドクレジットが流れるだけである。特に意味はない自己満の世界だ。
周回プレイが不可能な以上仕方がないのだが、何とも虚しいものである。
◇
最強育成したら主人公は作中最強となるのは間違いないのだが、ラスボスがクソ弱いので不完全燃焼感がハンパではない。
むしろ、序盤中盤のNPCとか雑魚怪物の方が明らかに凶悪なのだ。
何時でも変更可能な難易度で、難易度をハードに変更すれば分かると思うが、船を入手する拠点で最強防具を揃えた所で、NPCのライフル一発で倒され、軽い詰み状態に陥った事もある。
というのも、本作の戦闘は一対一でも連続怯みでハメ殺されるといった、唯でさえ「これぞクソゲー!」みたいな仕様であるのにも関わらず、複数人からリンチされて終了といったパターンが多過ぎるのだ。
何故って、そりゃあ主人公が弱いのが原因である。
更にはNPCは神エイムで正確無比に主人公を狙撃してくるもんだから正直たまったものではない。
本作の戦闘システムは先制奇襲で一方的にリンチするか、ミスって一方的にリンチされるかが主であり、駆け引きは殆どないと言っても過言ではない(笑)。