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4/5

初戦闘

お待たせしました。主人公がやっと戦う場面となりました。

迫力ある戦闘シーンを書く様に心がけて書いてますので、フォローの方をよろしくお願いします。

m(__)m

「イタタタ、ここは何処だ?」


俺は気が付いた。先程、飛行竜で逃げている途中キムから攻撃を受けて森へ落下したんだよな。


木の枝がクッションになって助かった様だ。俺が乗っていた飛行竜は何処かに行ってしまった様だ。


幸い影の騎士からもらった袋は背中に背負ったままになっている。


「森の中か?もう夜になっているから真っ暗で方向が分からないな。」


 この世界の生物の生態を俺は知らない。そのため、この森に人間を捕食する動物が万が一いたとしたらと考えるとゾッとする。


 どうしたらいい?その動物を攻撃出来る方策を考えるしか無い。


「そう言えば、クソ大臣ブルーノを始めトレドの大衆はゴーレム使いを物凄く嫌っていたな。嫌いだと言う事は恐れてると言う事なのか?恐れている魔術なら武器に使えるのでは?」


 ゴーレムを使う魔術は、この世界に召喚されてからまだ1度も使った事が無い。どうしたらいいか?


「悩むより、実際にやってみよう。」


先ずは、宮廷魔術士のマンソンが説明した様にステータスウインドウを開いた。トレド帝国で投獄されて以来、自分の処遇が気になって見るのを忘れていた。


杉山拓也

年齢 16歳

Lv 1

HP 5

MP 5

SP 10

種族 人間

属性 無し

職種 勇者、ゴーレム使い、錬成師

能力 ゴーレム錬成、ゴーレム操作、物質錬成。

所有武器 無し


SPはスキルポイントか?だが、今はスキルを振り分ける必要がある能力が無い。


しょうがない、ゴーレムを出して見る事にする。


「さっき、キムが魔法攻撃する時、手を前の方に突き出してたな。」


俺は「ゴーレム出て来い!」と祈りながら右手を突き出す形を取った。

すると、右手の先が光り出した。その後、2メートルぐらいの人型の物体が現れた。


「うわっ、コレが俺の魔術か。」


よく見ると岩に巨石や小石で出来た頭、手足を付けた様な感じだ。まるで幼児の作る粘土工作だ。


「動くのか?」


 俺は心の中で(歩け)と命じた。するとゴーレムはぎこちない動きながらも歩き始めた。


 俺もゴーレムと一緒に歩く。同じ所にずっといると、追っ手のトレド帝国の兵士達に見つかる可能性が大きいと思ったからだ。


 夜の森は真っ暗。だが、俺が錬成したゴーレムの目が懐中電灯の代わりに夜道を照らし出していた。


 立ち止まって休憩していると、前方に何やら動く物を見つけた。ゴーレムの灯りで照らしてみる。


子供か?いや、耳がとんがっている上、目はギラギラとしてつり上がり、皮膚は緑色で手に棍棒みたいな物を持っている。


「ゴブリン?」


この世界で初めて見る怪物、モンスターだ。たしかゲームだと雑魚モンスター扱いの部類に入ってたな。


後ろにも何やら近づく気配がしたので振り返った。これもまた前方と同じゴブリンだ。こっちの方は短刀みたいな物を持っている。


短刀を持ったゴブリンは、「キィィィッ!!」と叫ぶといきなり切りつけてきた。


「くっ、何だ?問答無用で攻撃かよ。」


俺は避けようとしたが、右腕を切りつけられてしまった。


「ぐわッ!!」


血は出たが浅い、助かったと思ったら、今度は棍棒を持ったゴブリンが襲いかかってきた。


俺はすぐさまゴーレムを動かして、それの腕でゴブリンの棍棒を受け止めた。だがナイフを持ったゴブリンの攻撃も防がなくてはならない。


俺はすぐに右手を出して、もう1体ゴーレムを錬成した。


最初と同じように手先が光り2体目のゴーレムが現れた。


俺は1体目のゴーレムには棍棒のゴブリン、2体目のゴーレムにはナイフのゴブリンを相手させることにした。

「ゴブリンを倒してくれ!」


2体のゴーレムはゴブリンを殴打で攻撃する。ゴーレムの方がゴブリンより大きいから楽勝で勝てる・・・・。甘かった。


ゴーレム達の拳はゴブリン2体に当たっているのだが、ダメージが余り与えられてない。


ゴブリンは素早く逃げる上、拳が当たってもダメージがやっとHP1か2ぐらいしか削れてない。


ゴブリンの武器に切りつけられてもゴーレムは問題なく攻撃を続けるが、ゴーレムとゴブリンの戦闘は膠着状態だった。


 仕方なくもう2体錬成して合計4体にする。

 

 ゴブリン1体につきゴーレム2体で戦わせる。


 卑怯かもしれないが、初めて使う魔術でレベルも低い俺には生きるためには仕方が無い。


 先ずはナイフのゴブリンと棍棒のゴブリンを1匹ずつ1体のゴーレムが抑えて、もう1体に攻撃させる方法をとる。だがそうやっても致命的なダメージを与えられない。


そのうち、ナイフのゴブリンが持っているナイフを落としたので、俺はすぐさま取り上げてそのゴブリンの左胸に突き刺した。ゴブリンの体の構造なんか人間と同じなのかわからないが、心臓に刺せたのか「ギェェェェッ!?」と断末摩を上げて死んでしまった。


「いけるか?」


次は今ゴーレム2体で押さえ込んでいる棍棒のゴブリンを倒すことにする。手の空いたゴーレムを向かわせてさらに押さえつける様にゴーレム4体に命令した。


すると、棍棒のゴブリンは「キィィィィィィィィッ!!」と耳をつんざく様な声を上げた。


うわっ!何だコイツは?思わず俺は耳を塞いだ。すると棍棒のゴブリンは隙を見て逃げ出した。


「フヒー、助かったのか?」


そう思ったのも束の間、突然地響きがした。


その方向を見ると、暗闇の中に2つ光っている点が見えた。それがだんだんと近づいて来る。


「なっ、何だ?このデカブツは?地響きはコイツか?」


光っている2つの点はコイツの目だった。頭に角が1つ付いており、口は長い牙が付いていた。


逃げられたゴブリンと同じ形の棍棒を右手に持っている。もしかしてオーガと言うヤツか?


コイツの足元の影に隠れる形で、先程の仕留め損ねた棍棒のゴブリンがいた。負けると分かったのでオーガを呼んだのか?


また、このオーガはそれだけじゃない。とにかくバカデカい。ビル5階か6階ぐらい、つまり18メートルぐらいはあるか?


オーガは俺が錬成した4体のゴーレムを踏み潰した。


「でけえー、踏み潰されたら俺も終わりだ。」


俺は両手に力を込めて、「錬成!」と叫んだ。


そして、このオーガと同じ18メートル級のゴーレムを錬成した。


「相変わらず形がいびつなゴーレムだな。俺が作ったけど。よし、アイツをやっつけろ。」


俺のゴーレムはオーガに殴りかかった。


だが、次の瞬間、オーガの棍棒で返り討ちに会い、粉々になった。


「何い?こんなに弱いのかよ、もう一回続いて錬成!更にもう1体錬成!」


 今度は、18メートル級のゴーレム2体体制で攻撃してみた。

 だが、オーガは背後から組み伏せようとしたゴーレムを正面から攻撃しようとしたゴーレムにぶん投げて2体とも粉砕した。


 その衝撃で地響きが起こり、飛んで来た石が足に当たって挫いてしまった。


「なんだよ、俺のレベルが低いから弱いのか?それとも、アイツが強すぎるのか?」


 とにかく死にたく無い。何体もゴーレムを錬成しては攻撃してみるが、相手にダメージを与える前にことごとく粉砕されて話にならない。


 気が付くと、錬成したゴーレムは1体だけになった。

 もう、ここから逃げ出したい。だが足を挫いているため早く走れない。


「ゴーレムを使って『三十六計逃げるに如かず』だ。」


 俺はゴーレムに俺を持ったまま逃げる事を命令した。


 俺はゴーレムの肩に掴まりゴーレムを走らした。


 ゴーレムは勢いよく走った。


 俺はゴーレムの肩に必死に掴まり、追っかけて来るオーガを振り切ろうとした。するとオーガはジャンプして、俺達の頭の上を乗り越えて目の前に立ちはだかった。


「くっ、ここまでなのか?」


オーガは持っていた棍棒を振りかざして、俺とゴーレムに叩きつけた。


「もう、俺はまた殺されるのか?こんなふざけた世界があるのか?いい加減にしろ!!」


 死刑宣告されトレド帝国の処刑場からせっかく逃げられたのに。せっかく助けてくれた影の騎士の苦労が水の泡だ。


 もう死んだのか?


 だが、ゴーレムは破壊されて無い。そして目の前の光景に驚いた。


俺のゴーレムはオーガの棍棒を腕をクロスさせて受け止めている。オーガも予想外の事で驚いているのか次の攻撃が止まっている。


「いけるか?」


俺はゴーレムに反撃を命じた。ゴーレムはオーガの棍棒を受け止めたままの姿勢で押し返した。


そしてブルドーザーの様に押し返すスピードを速めて、オーガを巨木にぶつけた。


そのおかげで巨木は折れてオーガの巨大な身体がひっくり返った。


「さっき錬成したゴーレムはオーガにすぐ破壊されたのに、何でこのゴーレムは破壊されず反撃出来たんだ?」


そう思ったのも束の間、オーガがよろよろと起き上がった。


「グオオオオオオオオッ!!」


オーガは俺のゴーレムに予想外の反撃を食らった事に怒り心頭なのか大声で吼えた。そしてまた棍棒を持って襲いかかった。


「しつこいヤツだな。うん?これは何だ?」


俺はゴーレムの肩にしがみ付いてオーガを見た。オーガの胸にまるでスナイパーライフルの照準器で見る様な円形の光点が見えた。


「あそこを攻撃しろと言う事か?くそっ、やってやる。」


俺はゴーレムの右拳をすれ違いざまにオーガの胸へ殴りつけた。


血しぶきが飛び散ったと同時に、ゴーレムの右拳がオーガの胸を貫いた。


オーガはゴーレムの右腕に串刺し状態になり動きを止めた。


「倒せたのか?」


俺はゴーレムの右拳をオーガの胸から引いた。


オーガは倒れて地響きを起こした。


オーガは死んだ様だ。その証拠にゴーレムの右拳がオーガの心臓を握りつぶしていた。



Copyright(C)2023-寒河江たかし


戦闘シーンを書いてみましたがいかがだったでしょうか?

まだまだ続きますので、評価の方をよろしくお願いします。

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