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プロローグ


 静かな朝だった。街の通りでは小鳥がさえずり、人々はジョギングや散歩を楽しんでいる。                                              

 しかし突然、そんな穏やかな朝は終わりを告げた。

 甲高い音が響き渡る。サイレンだ。それは街中の至るところに設置された大きなスピーカーから流れていた。


「何だ! 何が起こってる?」

「キャー!」

 

 多くの人々は戸惑い、騒いだ。そこに1人の男が一喝する。


「騒ぐな! よく聞け、あれはヤタガラスのサイレンだ。ミサイルが飛んでくるぞ。皆急いで地下シェルターに避難しろ!」

 

 男はシェルターの方を指し、大きく手を振った。腕に着けた赤と黄色のストライプデザインの腕章が目立つ。

 正気を取り戻した人々は全員走った。誰もが青ざめた顔をしていたが、生きるために必死に行動していた。


 しばらくしてサイレンが止んだ。

 街の通りから人は消え、どの家も静かだった。まるで街全体がゴーストタウンになったかのようだった。


 スピーカーから新たなメッセージが流れる。


「本日のミサイル避難訓練は終了です。国民の皆様、ご協力ありがとうございました。」


 メッセージが終わった途端、人々がシェルターから続々と出てきた。不満そうな顔が多い。口々に愚痴り始めた。


「訓練かよ、面倒だな。」

「もう、せっかく作った朝食が台無しじゃない。」


 そこに先程の腕章の男が再び怒鳴った。


「お前ら! このご時世、いつ戦争が始まってもおかしくないんだぞ。いざという時に備えないと死ぬんだぞ。それでもいいのか!」


 その言葉にその場にいた全員が黙り込んだ。


(続く)



 



 

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