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第五話

家康の屋敷に行く前に宗古と俺は伏見稲荷大社に来ていた。

朝から雷鳴がなっていたからである。

二人でスマホを取り出して、千本鳥居をくぐったがスマホのアンテナマークに変化は無かった。

雷鳴は止んでいた。

「大晦日しか繋がらないのかも。残念ね」

そのとき、近くに稲妻が走ったかと思うと数秒のあとに、大きな雷鳴が鳴った。

「聞いたことが無いほど大きな雷音だわ」

宗古が震えている。

スマホには変化が無い。

今度は更に大きな稲光とすぐに大きな雷鳴がした。

吉川は宗古を守ろうとしてさっと軽く抱き寄せた。

「大丈夫だ」

宗古を抱き寄せたまま次の雷鳴が鳴った時、スマホのアンテナマークが薄っすらと現れた。

「スマホが繋がったわ」

宗古が叫んだ。

「本当だ。5Gのマークがある。令和のどこかと繋がっているのか」

吉川は叫んだが、何の応答も無かった。

5分程度過ぎて雷鳴が収まり二人が離れたら、スマホのアンテナマークが消えかかっている。

「これは何だ!」

二人のスマホに雪月花と書いたアプリが起動した。

画面には、狐のような動物と0/10と書かれた数値とレベル0という文字だけが描かれている。

そしてスマホの通信が出来なくなった。

「何よ、これ」

「わからない」

「面白そうね。受けて立とうじゃない」

「気味が悪いな」

「これはきっと10の課題や謎をクリアしてレベルが10になったら、何かが起こるのよ」

「いや。気味が悪いのだが。そろそろ家に戻らないと。家康様のお屋敷に行く時間だ」


京の徳川家康屋敷に大橋宗桂一行が着いて、一番前に宗桂、その後ろに令和では女子高生の宗古、一番後ろが令和では刑事の吉川早月が座って家康を待つ。


早月のスマホが震えた。スマホを見ると、宗古が片手の親指と人差し指を交差させて小さなハートマークを作って笑っている画像がブルートゥースで送られてきた。どうやら充電できたようだ。更にスマホのバイブレーションが鳴った。早月のブログは内容空疎でキモいと書いてある画像だった。どうやら俺の悪役令嬢コミックを書いたブログをさっき見つけたらしい。


徳川家康と浜松城城主の堀尾吉晴が部屋に入ってきた。家康の顔は暗い。

「これは宗桂殿、約束通り将棋を楽しもう。こちらは、堀尾吉晴殿だ。将棋も強い。それから利発な跡継ぎも来ているな」


宗桂と家康の対局が始まり、局面は中盤戦である。

家康が話した。

「宗桂殿はやはり強い。内密に相談したいが秘密は守れるな」

「もちろんでございます。何なりとお申し付けください」

家康が将棋盤を凝視しながら話した。

「ところで堀尾殿、将棋指しは普通の者とは頭の切れが違う。そのなかでもこのものたちは尋常ではない考えができる者たちである。浜松城で起きたことを説明してくれ」

堀尾吉晴が返した。「いいのですか」

「構わぬ」家康は以前盤上を見ながら次の手を考えている。


吉川は、堀尾が話すのをじっと待っている。

宗古が俺に囁いた。

「最初の謎かもね」


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