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白の世界の銀毛モフモフ1

この真っ白な世界に銀色の毛が煌めいている。


「なんてかわいらしいの…」

思わずため息とともにこぼれた言葉にネコはエメラルド色の瞳を細めて「ふふっ」とシッポを揺らしている。


「シャリスタン、まずははじめまして…かな?」

ネコが喋るという普通ではありえないことよりゆっくりとふわふわのしっぽが揺れているほうに気を取られる。


「はじめまして…え?私のなまえ…」

小さな口元から流れるように自分の名前を呼ばれ首を小さく傾けた。


「驚いた?僕の名前はヘルメ。君達の世界でいうところの神様かな」


「神様…」

どこから見てもフワフワのネコにしか見えない神様、ヘルメはふわふわ漂いながら少し身体を震わせて大きな尻尾を伸ばした


「まずは何故シャリスタンがこの世界の狭間に来たか、理由から説明しなくちゃね」


「狭間、ですか?」

そこにまるで道でもあるかのようにゆっくりとこちらに歩いてくるヘルメに目を瞬きながら問う


「…私は処刑されて死んだはずでは」

あの断頭台に登り耐え難い恐怖と諦念の中、刃に切り裂かれた痛みは夢や幻ではなかった。  


「そうだね」

あっさりとヘルメに肯定され膝から崩れそうになる。


「君達のいる世界と天界の()()()。君はいま、()()()()状態ってこと」

うんうん、と一人で納得するように首を振るネコに首を傾げる


「このままシャリスタンが死んじゃったら困るから狭間に来てもらったんだよ」

まるで褒めてと言うように胸をはってシュッと座った。

「だからもう一度!元の世界に戻って」


「はい?」

何が「だから」なのかさっぱり理解できず淑女らしくない返事と口を開けたまま固まってしまった。


ヘルメ(極上銀毛モフ猫神様)が言うには…

「君がいた世界に他の世界の神様が魂を入れてしまったことが始まり。その魂が前の世界、異世界の事を覚えていて自分がある物語のヒロインだと思ったことが滅びの切っ掛け」


ヒロインと言う言葉にシャリスタンはビクリと肩を揺らした。

その言葉にレオナルド様の隣にいつもいたあの男爵令嬢を思い出す。


「あれ、シャリスタン?」

エメラルドのような綺麗な瞳を少し大きくしてヘルメが首を傾げる。


「いえ…」

小さく首を横に振り目線を下げて続きを待つ。


「…そう?じゃあ続けるね。その魂が自分の都合の良いように色々な(ことわり)を捻じ曲げようとしたところから世界の均等が崩れ始めた」


随分壮大な話になってきた。

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