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プロローグ
アジェスト公爵家の令嬢シャリスタンは目を開けると真っ白な空間に佇んでいた
風もないのにシャリスタンの薄い藍色の髪が靡く。
「え…ここは天国?」
紫紺の瞳をパチパチと瞬き呟いた。
シャリスタンはつい先程、婚約者だった第一王子殿下レオナルドの命により断頭台の露と散ったはず。
王宮の殿下主催のパーティーでレオナルド様に突然名前を呼ばれたと思ったら婚約破棄宣言。その上、全く身に覚えのない男爵令嬢のマリンを虐め、殺人未遂を犯したとして捕縛された…
「半分正解で、半分は違うかな」
「ひゃっ」
周りは何も見えない只の真っ白な空間なのに後ろから急に声がしたため肩を上げて驚いてしまった。
恐る恐る振り返ると真っ白な空間に銀色のネコがポツンと佇んでいる。正確には宙に浮いていた。
「も…」
「も…?」
「もふもふ!」
シャリスタンは瞳を瞬いて小さなネコに向き直った。
動物、特にふわふわした小動物は小さな頃から大好きだった。
このネコとの出会いがシャリスタンのこれからを大きく変えていく。過去も現在も、もちろん未来も…