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Interlude
俺はずっと、なにか変な不安を抱いている。正体のわからない、気味の悪い不安ではあるが、いつでもつきまとってくるわけではない。ふとした瞬間に思い出して、いつの間にか消えている些細な不安。
杞憂だと思い込みたい。でも、杞憂だとして抑圧するのも、なにかよくない気がしてならない。
これはきっと、俺が抱えていかなければならない不安。
アダムとイヴが残した、人類の原罪のようなもの。
だから、きっと気にしなくていい。いつもそうやって、気を紛らわせてきた。
そうでもしないと、生きていけない。
迷っているうちに簡単において行かれるのが、人生だから。
俺は、それを、だれよりもよく知っているから。