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短編リレー小説です。
作品供養のためなろうに投稿しました。
著者は3人で9話完結。1話ごとに執筆者が異なります。
ジャンルをルーレットで決めてリレー小説を書いています。
今回は「SF」「ミステリー」「ホラー」です。
支離滅裂で矛盾点も多く、勢いで書いている箇所も多いので、ちゃんとした小説を読みたい方にはおすすめしません。
ネタと勢いが許容できる方はどうぞ。
その日は特に用事もなく、私はボンヤリとテレビを眺めて過ごしていた。時間を確認すると午後一時を少し過ぎていた。
昼寝でもしようかとウトウトしていると、不意に携帯電話から着信音が流れた。慌てて電話に出ると、「おい、今家にいるか?」と興奮気味な声が聞こえてきた。
私は突然のことに戸惑い何も応えずにいると、通話相手は続けて、「もし家にいるのなら、テレビを点けてくれ」と言った。
「ちょっと待ってくれ、お前は一体誰だ?」
「いいから、いいから。テレビ点けたか? 点けたならチャンネルを4に合わせてくれ、面白いもの見せてやるよ」
通話相手に言われた通り、私はテレビのチャンネルを4にした。
テレビ画面には芸能人達がスタジオの中で時事問題などを話題にして盛り上がっている様が映し出されている。しかし、これと言って何かが変わっている様子はない。
「おい、これのどこが面白いって?」
相手からの返事はない。何度か声をかけてみたものの、まるで反応が無かった。どうやらただの悪戯だったらしい。
私は溜息をつき、通話を切ろうとした。その時、「おーい」と声が聞こえてきた。どうやら通話相手が戻ってきたらしい。
相手の通信状態が悪いのか、相手は何度も同じように、「おーい、こっちだ」と言っている。その声は携帯電話からというよりも、どこか遠くから聞こえているようだった。
「おーい、テレビ見ろよ。こっちだよ、よく見てみろ」
「テレビって……」
私は相手の指示通り、テレビ画面を注意深く見てみた。
先ほどと変わらず芸能人達が映っているが、特に変化は無い。
どうして私は悪戯電話の指示にしたがっているのか、一体何をしているのだろう。馬鹿馬鹿しくなり、「もう切るぞ」と一声かけてから通話を切った。
「まったく、妙な暇人がいるものだ。人の休日をなんだと思っているのだ」
その時の私は悪戯電話をされた事よりも、昼寝の邪魔をされたことに対して怒っていた。兎に角眠たかったのだ。
私はソファーに深く腰を下ろし、昼寝の体勢に入った。少しするとまたウトウトしてきた。
きっと枕が体に合っていないのだ、だからいくら寝ても疲れが取れないのだ。昼寝を終えたら近所の店で新しい枕でも買おう。そう、きっと疲れているだけなんだ。だから先ほどから聞こえている私を呼ぶ声も、テレビ画面一杯に映り気持ちの悪い笑みを見せる男も、全ては疲れが見せる幻なんだ。
「おい、さっきから何見てるんだよ」
A太が僕の後ろから覗き込んで訊いてきた。
「最近某掲示板で有名になってるテレビ男って話知ってる?」
「テレビ男って何だよ、名前ダサくないか。ていうか、人ん家に来てパソコンばっかりいじるな」
「いいじゃない、今日はそう言う気分なの」
一通りテレビ男の話を読み終えたA太は、呆れたように鼻で笑うと、「これだけ?」と言った。
「この後、”私”はどうなったんだ?」
「そんなの……死んだとか、発狂したとか?」
「分かってないのかよ、いい加減だな。てか、もしそうだとしたら誰がこの話を伝えるんだよ」