無彩+ 《わらべうた》
お時間いただければ是非お目通しお願いいたします。m(__)m
白い絵の具で何描こか
女の首のその真珠
風に吹かるる滝の水
境界線の白い雲
閉じ込められた病室の
どこまで続くか壁の色
のきに下がった鶴の羽
左の眼は置いてきた
黒い絵の具で何描こか
綺麗な顔の輪郭と
一枚下のその髑髏
乾いた血潮とその上に
踏みつけ重なる足跡か
水に流るる筆の墨
隈取流れた汗の痕
右の眼は瓶の中
二つの絵の具で何描こか
上る朝日を止めるため
研がれてぎらつく鉄の色
胸の奥の底深く
濁り切れない闇の色
つらい悲しい怖い寂しい
愛しい欲しい会いたい切ない
憎い恋しい誰にもやらない
取り散らかされた筆の山
白黒の中に赤一穂
小さな祠に押し込めた
後ろの正面だあれ
※一穂……筆、特に穂先を数える場合に一穂、二穂と数えます。
お読みいただきありがとうございました。m(__)m