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第七十一話 合宿会議

「それでは、第71回円卓会議をはじめましょうか……」

 部長がそうきりだす。いつから、厨二病が発症してしまったんだろうか。また、部長のおもいつきでなにか始まってしまった。


「それで部長? 今回の議題は?」

 文人が適当に相づちしながら、話を先に進める。こいつは、部長ともう丸一年も一緒に過ごしているせいか扱いに慣れてきている気がする。


「それは、簡単! ゴールデンウィークの合宿はどこにいくかよ!」

 あー、やっぱりそれかっ! この前の市内トーナメントの賞品を使ってどこかに合宿に行きたいって話になっていた。参加できるのは、おれとかな恵、文人、部長、葵ちゃんのいつもの5人だ。ほかのメンバーは家族旅行などで都合がつかなかった。だから、あんまり新鮮な気分にならない。


「近場でゆっくりできるところがいいですよねー」

 葵ちゃんがそう言う。たしかに、ゴールデンウィークは観光地が混み合う。近場にして、ゆっくりしようという考えになるのは当然だ。予算にも優しいし。


「となると、伊豆とかグンマーとかかな?」

 かな恵は、適当な場所を列挙する。温泉が有名な場所だ。でも、グンマーって、おいおい、いいのか?


「えー、パスポート必要なところはちょっと……」

 部長がすっとぼけた声をあげた。いや、いくらグンマーでも、パスポートは不要だよ。おれは、心の中で突っ込む。まあ、戦闘民族グンマー県民とイバヤンとの抗争に巻き込まれる危険性はあるんだけどさ…… 隣県に勢力を広げる茨城共和国の半グレ集団「イバヤン」は最狂集団とおそれられている。ならば、やはり安全な伊豆のあたりがベストか。


「じゃあ、伊豆あたりにしましょう。いま、予約できる宿を見てみますね」

 おれはスマホを起動して、宿泊予約サイトを開いた。これで伊豆周辺に場所を限定できた。


 ※


「予算的に考えて、この宿がいいですかね?」

 いくつかの宿を探して、おれは熱海のホテルにたどり着く。老舗な感じの落ち着いた宿。温泉も完備で、ご飯も美味しそう。絶好の場所だった。


「いいねー」

「楽しそう」

「いいと思います」

「グッジョブ!」


 みんなおれの見つけた宿に同意してくれた。よかった。このメンツで否定でもされたら、とことん否定されるので、ちょっと安心した。


「じゃあ、予約しますね。男ふたり、女3人の部屋でいいですよね!」

 おれは予約ページから必要事項の記入をおこなおうとする。


「ちょっと待った!」

 部長が声をあげた。これは嫌な予感が……


「桂太くんは、わたしと相部屋で」

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