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香IF⑮

 私はそのまま本戦トーナメントに進出した。ベスト16で、新進気鋭の高校生を同じく耀龍四間飛車で攻め潰し、70手台で投了に追いこんだ。


 この攻撃重視の四間飛車は私と相性がいい。ノーマル四間飛車なら受けまくる展開にしかならないけど、これなら攻めが先にあって、相手のカウンターをしっかり受けて勝つ展開になるから、私の強みもしっかり生きる。やっぱり、攻めている方が勝ちやすい。


 これで私の四間飛車には、ノーマルと耀龍四間飛車の2つのパターンがあるというのを会場に示すことができた。


 将棋において実力が上がれば上がるほど、スペシャリストは対策されやすくなり、簡単に勝たせてはくれなくなる。だから、同じ四間飛車でも、毛色が違うふたつのパターンを使えるのは、相手に対策を絞りにくくすることができる。


 高校の時に、宗歩流四間飛車も指したことがある私は、無数の四間飛車のパターンを用意しておくことで、相手の人が対策をたてることを難しくする。これでいつも作戦負けしていた私が、序盤で作戦負けしにくくなっただけでも相当なアドヴァンテージ。


 でも次の相手はそんな簡単には勝てない。

 大学将棋界の頂点であり、私の部活のトップ。


 豊田政宗がプロに転向した後、桂太くんとともにアマチュア将棋界の覇権争いに参加するであろう逸材。


 筑波賢治アマチュア六段。


 現・学生名人が、準々決勝で私の目の前に立ち塞がる。


 ここが私の人生の一番の正念場。


 簡単に負けるわけにはいかない。

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