第四百四十五話 最後の総決算
かな恵との電話も終わり、俺も布団に入ると、部長から電話が入った。
「部長、どうしたんですか?」
「ごめんね、桂太くん。寝てた?」
「いえ、まだです」
「よかった。少しだけ、お話してもいい?」
「もちろんです」
「桂太くん、二年間ありがとう、ね」
「どうしたんですか。改まって」
「明日の大会が終わったら、なんかちゃんと言えないと思ってね」
「……」
「桂太くんがいてくれたからこそ、私はここまで来れた。あなたのおかげで、私は将棋を嫌いにならなかった。あなたがいたから、団体戦で優勝できた。あなたと会えたこの二年間は、私にとって、一番大事な宝物だよ」
「部長……。俺は……」
「明日、答え、教えてくれるんでしょ?」
「は、い」
「だから、これだけは言っておきたかったんだ。桂太くんが、私を選んでも、選ばなくても、この二年間が私の人生においての宝物だってことは変わらないから。それだけは知っておいて欲しかったの」
「俺も、部長と出会えてよかったです」
電話口から、湿った声が返ってくる。
「よかった。もし、明日、決勝で会えたら……今度は、勝たせてもらうわよ」
「どんどこいです」
そして、俺たちは笑った。
「じゃあ、また、明日」
「はい」
ヒロインレースも佳境です。
本編完結後に、IFルートも用意しているのでよろしくお願いしますm(__)m
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