表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
328/531

第三百二十八話 帰り道

風邪をひきましたw

皆さんもご注意ください。

 俺たちは、いつものようにふたりで下校した。

 葵ちゃんと部長は、二人で話したいことがあるとかでどこかに消えてしまった。葵ちゃんが、いつぞやの不敵な笑みをうかべていたのが少し気になるが……


「気にしないようにしよう」

 俺はそう決意して、かな恵と近くのスーパーに向かう。

 朝に約束したスーパーでの買い物に付き合う。


 そういえば、春も一緒にここにきたな。そう思うとなんだか感慨深い。

 あの時の二人は、かなりぎこちなくて、お互いに笑っちゃうくらいコミュ障気味で……


「兄さん、今日は何食べたいですか?」

「かな恵が作ってくれるのか?」

「最近、兄さんばかりに作ってもらっていたので、今日くらいは……」

「嬉しいな。かな恵みたいな美人の妹に料理を作ってもらえるなんて。俺は一年生男子に闇討ちされるんじゃなかろうか」

「大袈裟ですよ。それにみんな兄妹って知ってますから」

「まあ、そうなんだけどさ。やっぱり、かな恵と一緒に住むようになってから、日常が華やかになったというか……」

「嬉しいですね。リップサービスでもそう言ってもらえると嬉しいです」

「本心だぞ?」

「また、そうやってナチュラルに女の子を口説くんだから。本当にラノベ主人公みたいな性格をしていますよね。兄さんは……」

「えっ、なんだって」

「そういうところです」

「痛っ」

 かな恵は怒って俺の手をつねってスタスタと米売り場に歩いて行った。

 冗談だったんだけどな……さすがに……


「兄さんは、10キロくらい余裕で持てますよね?」

「えっ」

「だから、鈍感主人公の兄さんならお米10キロくらい余裕ですよね?」

「待って。10キロって……持てなくはないけど買いすぎでしょう」

「え~なんだって~」

「そんなところで、難聴鈍感ヒロインぶらなくてもいいからっ」

「それに俺、知ってるだろうけど、ガチガチの文科系だからっ。そんな体育会系みたいなことを言われても……」

「お米、何キロ持てますか?」

「そんなダンベルみたいなことを言われても……」

「冗談ですよ。そんなに本気にならないでください」

「よかった。本当によかった」

「まったく、男の人なんだからもうちょっと頑張ってもいいじゃないですか……」

「でもさ、かな恵変わったよな」

「なにがですか?」

「春の時は、こんな軽口叩いたり、怒って手をつねったりするの考えられなかったじゃないか」

「そりゃあそうですけど……」

「やっぱり、ちゃんと家族になってるのかな」

「そう、かもしれませんね……」

「これからもよろしくな。かな恵」

「はい。あと、今日はカレ―にしましょう」

「そりゃあ、楽しみだ」

 俺たちはレジに向かって歩いていく。


 ※


「私は家族じゃない形で、あなたに出会いたかったのに……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ