第三百二十五話 ドキドキ?合宿計画
台風でごたごたして遅くなりましたm(__)m
作者は無事です!
「合宿ですか?」
俺は部長の提案をオウム返しして確認する。
「そう。全国大会は夏休み期間中だし。夏休み前半に、集中的に将棋して、最高のコンディションで大会に臨みましょう」
「ちなみに場所は?」
「葵ちゃんの家の別荘よ」
「なんというブルジョア……」
いや、たしかに葵ちゃんのお家はお金持ちでしたよ。
でも、なんというか、その……
ひどく外道臭がしたのが気になりますが……
大丈夫だよね、地下に血塗られた部屋とか、謎のコンクリートとかおいてないよね。
みんな葵ちゃんの家に行ったことないだろうから、どんな感じか知らないだろうし……
俺はこの前、拉致されて将棋してたけど、お爺さんとお父さんは、ナイスミドルだったけど、完全に組長と若頭のそれだった。
「どうしたんですか~先輩?顔が真っ青ですよ?」
「いや、ほらこの前、葵ちゃんの家に行ったことを思いだしてさ。今回はお手伝いさんとかも同行してくれるのかな?」
「ああ、それなら黒田が運転手を務めてくれることになってます。ほら、この前、先輩をらち……じゃなかった。送迎したあのひとですよ~」
「今、思いっきり拉致って言ったよね。誘拐だって認めたよね」
「何言ってるんですか?言ってませんよ」
「いや、だって……」
「言ってません♡」
「すいません、聞き間違えました。だから、命だけは助けてください」
「嫌だな~それに、祖父たちも言ってたじゃないですか。いまは、普通の会社だって」
「そこを強調しないで。昔がどうだったかすごく気になってしまうから」
「桂太くん、何を葵ちゃんとごちゃごちゃ言ってるの?もちろん、行くわよね?桂太くん?」
「行きますよね?ケ・イ・タ・セ・ン・パ・イ」
「……」
俺は少しだけ武者震いをしながら冷や汗をかく。
「行きます、逝かせてください」
「なんか漢字が違う気がするけど、まあいいわ。じゃあ、決定ね。7月後半に一気に行くわよ~海が近いらしいから少しは遊びましょう。水着用意しておいてね」
「はーい」
まあ、いい。一度、落ち着こう。事実さえ知らなかったら、美少女三人とドキドキワクワク将棋合宿。水着もあるよ。間違いなく勝ち組だ。そう、葵ちゃんの家の真実さえ知らなければ……
「兄さん、大丈夫ですか?なんか震えてますけど?」
「大丈夫じゃよ。ビドドザギジョグヅ」
「いきなり、なんでグロンギ語なんですか?ここではリントの言葉で話せですよ」
まさか、かな恵がグロンギ語を理解できるとはな。この妹、恐ろしい子。
「生きて帰ろうな、かな恵……」
「何泣いているんですか、たかが合宿で~」
「ああ、そうだな。俺、この合宿が終わったら、将棋するんだ……」
「いや、合宿でも将棋しますから」




