第十五話 妹? 彼女?
レビューをいただきました!ありがとうございますm(__)m
「え、えっと、妹です」
「嘘だね? どうしてうそをつくの? 桂太くん」
急にヤンデレのようなセリフを吐く部長。なんだか、目からはハイライトが消えて、目線が宙を舞っている。そして、なぜか、顔が真っ赤だった。顔をあからめて下からのぞきむようにジトーとみる目になんだかドキドキする。
「半分、嘘で、半分、本当なんですって」
おれはついに部長に白状した。
「えっ、お父さんが再婚して、急にお義母さんと義妹ができた?」
「そのとおりです」
おれは、洗いざらいすべてを供述した。
父親が、サプライズと称して再婚したこと。かな恵という妹ができたこと。引っ越しが終わったばかりで、場所がわからないというかな恵と一緒にスーパーに買い物にいったこと。そのあとで、一緒に夕食やゲームしたこと。
おれの話を聞いてるうちに、部長は少しずつ不機嫌になっていく。完全に、怒ってる。
「それなんてラノベ?」
「信じられないのは、わかるんですけど、本当なんですよ」
「はー、ついに桂太くんが、あまりにモテなさ過ぎて、欲求不満のすえに、痛い妄想にとりつかれてしまったのね」
「本当ですって」
「そう、本当ね。あなたの頭の中ではね。わかったわ。信じる。だから、今日は早く帰ってゆっくり休みない」
だめだ、こりゃ。
「同じ高校に進学するんで、今度紹介します」
「ソウソレハタノシミネー」
こんな感じでとりあってくれなかった。
「じゃあ、また新学期に」
「はい、お疲れさまでした」
そう言っておれたちは解散した。なんか、余計に疲れた気がする。
※
「どうして、気がついてくれないのよ、バカ」
※
「ただいまー」
「おかえりなさい」
尚子さんが出迎えてくれた。
「あれ、今日は早いですね」
「ちょっと余裕出来たから、定時上がりなの。自慢の息子に、手料理まだ振舞ってなかったからね」
「じゃあ、ご馳走楽しみにしてますね」
「今日は、オムライスにするからね」
「大好物です」
「あっ、そうだ。桂太くん」
「なんですか?」
「帰りに一緒に帰っていた小柄なかわいい女の子って、彼女さん?」
「わっつうううううう?」
「帰りに見かけたのよ。仲良さそうだったから、声をかけるのは遠慮しておいたわ。ファインプレーでしょう?」
ええ、お母さん。そこは、ファインプレーですよ。そこはね。
でも、大局的にみたら、それを家で話すのは、大悪手です。
「桂太さん。その話詳しく教えてくださいね」
台所から、さっきの部長のような笑顔で、かな恵が飛び出してきた。
あっ、おれ死んだ(本日2度目)




